悪夢 ページ3
“どうして貴方はこんな問題も解けないの！？”
“ごめんなさい…”
“何焦がしてるのよ、どうするのよこれ！”
“ごめんなさい…”
“どうやったら分かるの！？この役立たずが！”
“ごめんなさい…ごめんなさい…”
私はきっと失敗作だ。
いつも弟と比べられて、指さされて、
私の中で弟＝敵という等式が出来上がっていた。
でも弟達はいつも優しかった。
当時の私にとってそれが一番怖かった。
助けて、怖い、もうやめて、優しくしないで。
助けて助けて助けて助けて助けて助けテ助けて助けて助けて助けて助けて助けて助ケて助けて助けて助けて助けて助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ…。
“貴方なんか死んでしまえば良いのよ！”
“ごめんなさい…ごめんなさい…”
“やめて！”
““！？””
“これ以上芽衣をきずつけないで。…母さん最低だね。僕等がいない間に芽衣きずつけるなんて。なんで死んでしまえなんて言うの？僕には優しいのに、どうして芽衣にだけ…”
恐怖に震えながら、私を庇って必死に言葉を紡ぐ幼い拓司。
“拓司…”
“お姉ちゃん！”
私に駆け寄っては、無数の傷を見て目を見開く修功と颯。
“どうしてお姉ちゃんがこんな傷だらけになってるの…？”
“なんでこんな事になってるの…？答えてよ母さん！”
答えられる訳がなかった。何故なら、弟達に隠れて私を傷つけていたのだから。母さんは追い詰められた顔をして家を出た。
“どうして私を庇ったの？こんな私を…”
“僕の自慢のお姉ちゃんだからだよ”
“…！”
そう言って拓司は私をぎゅっと抱きしめてくれた。
“お兄ちゃんばっかりズルい！僕も！”
“僕もぎゅーする！”
って二人も言って抱きつかれた。
こう言うのを幸せって言うんだろうなぁ…。
ーーーーーーー
「…芽衣！」
「…？あれ？拓司？」
「おはよ、大丈夫だった？」
「大丈夫って？」
「お前、魘されてたぞ？嫌だ、助けてって」
「私…怖いの。ずっと虐待されてる夢をこれからも何度も何度もみるんじゃないかって」
「怖いなら怖いって今みたいに言ってくれれば良い。俺達が側にいるから」
拓司はそう言って優しく笑った。
「…で、今何時？」
「10時過ぎた」
「嘘でしょ！？うわぁ、二人の弁当作り損ねた…」
「まぁたまには良いんじゃね？」
「…そうね」
そう言って何気無い一日が始まる。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
舞羅(プロフ) - ぷよーこさん» ありがとうございます！河村さんの行動は予想外のものばかりなのでちょっとひねってみました(^_^) (2019年6月3日 19時) (
レス) id: 87a569fea6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 甘えたいのですに出てくる全員が大好きです(*≧∀≦*)特に椅子に座ってクルクル回ってるところがカワイイなぁと思いました(*´ω｀*) (2019年6月3日 12時) (レス) id: 53d0fc1d02 (このIDを非表示/違反報告)
舞羅(プロフ) - ぷよーこさん» 更新遅くなり本当にすいません！若干今スランプになってまして… (2019年5月21日 15時) (レス) id: 87a569fea6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 優しい先生のお話大好きです(*≧∀≦*)更新ありがとうございました。 (2019年5月21日 9時) (レス) id: 53d0fc1d02 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 読むのが遅くなってしまい、今頃コメントしますが、最初から全員が可愛くて大好きです(*´ω｀*)これからも楽しみにしてます(*≧∀≦*) (2019年4月8日 0時) (レス) id: 53d0fc1d02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：舞羅 | 作成日時：2019年4月2日 19時
