__ Spring __

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それから小さい悪戯みたいなのはあったけど、前ほどではなくなった。




ただ、あの件があってから拓弥くんとはあまり話さなくなった。




無視されてる？




ううん。私が避けてる。








拓『あ、A…』






何も聞こえなかったかのように通り過ぎる。






これでいい。






これで、周りも騒がないし、拓弥くんが自分のせいでって思わなくても済む。






稜『Aちょっと。』






いつの間にか前に立っていた稜雅くんに呼ばれ、空き教室に入った。








稜『………』



「………」








静かに時だけがすぎる。









稜『…ねぇ、』





それを破ったのは稜雅くんだった。







稜『拓弥、最近元気ないんだよね。なんでだと思う？』






なんだろう…






「え…、体調悪いのかな…？」






すると、呆れた顔ではぁ…と大きなため息をついた。






稜『じゃあ、質問を変えようか。なんで拓弥を無視するの？』



「それは……」






バレていた。






稜『バレてないとでも思った？』


「…思いました。」


稜『話せるなら話してみ？俺聞くから。』






さっきみたいな呆れた顔じゃなくて、とても優しい顔。




私の知ってる安心する顔。









「実は…」




この前あったこと、祐基が助けてくれたこと、すべて話した。









稜『Aはどうしたいの？拓弥と話したいの？』


「……話したい。拓弥くんと、また話したい。」


稜『…答えが出たじゃん。ほら、行ってきな？』






稜雅くん…






「ありがとう、稜雅くん！」









私は廊下を走る。




教室をガラッと明ける…とクラスのみんながこちらを見る。








「拓弥くんっ！」





………





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