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彼女も魚に興味を持ってくれて、一緒によく水族館に行っていた。
人が少ない日にはスケッチブック片手に水槽の中の魚を描いたりもしていた。
俺は、彼女の繊細な絵が好きだった。
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「その色使い良いね。俺やっぱり鈴華の絵好きだなぁ」
俺がそう言うと、
「智さんに褒められると嬉しいなぁ」
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ふわっと微笑む彼女は、俺にはもったいないくらいの子だったと思う。
鈴華との付き合いは順調に進んでいた。
初めての彼女だったけれど、こんなに良い彼女はなかなかいないのではないだろうか、と今でも言える。
両親にも紹介していたし、もちろんAにも報告していた。
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でも、やっぱり心のどこかで「Aと二人で水族館に来たらどんな感じだったんだろう」「今頃何してるんだろう」とまだAのことを考えてしまっている自分がいた。
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Aが彼氏と別れたという話を聞いたときには、告白こそしなかったものの、少し喜んでしまったというのが正直なところだった。
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作者名：柚奈 | 作成日時：2020年4月25日 15時
