第3章「卒業」7 ページ7
第3章-卒業
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夏休み、文化祭、冬休みが過ぎ、いよいよ卒業の日を迎えた。
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ちなみに文化祭ではうちのクラスは南国風メイド&執事カフェをやって、
まっちゃんの執事姿が大好評で、全学年で一番人気の展示になった。
俺としては、Aのメイド姿を見ることができて満足だったし、いい思い出になった。
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卒業式の時には、まっちゃんは無事第一志望の大学に合格し、東京に行くことが決まっていた。
それを知ったとき、頑張っていた努力が報われて嬉しいという気持ちと寂しいという気持ちがどっちもあって、複雑な心境だった。
Aはその知らせを聞いて号泣し、俺に電話をかけてきて電話をしているときも泣いていた。
俺はただ慰めることしかできなかった。
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そして卒業式の日。
「いよいよ卒業かぁ」
卒業式典に向かう途中、Aがそう呟いた。
「あっという間だったね」
まっちゃんがそう答えた。
卒業式の間は、俺は校長の話が長すぎて寝そうになったが、今まではまともに歌ったこともなかった校歌を最後に歌ったとき、少しだけ泣きそうになった。
案の定、Aは泣いていた。まっちゃんも、心なしか目が潤んでいるように見えた。
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「写真撮ろう！」
最後のホームルームのあと、だんだん人が減っていったあとにAがそう言って、担任の先生にカメラを預け、俺たち三人の写真を撮ってもらった。
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「最高の思い出だね」
俺がそう言うと、
「うん。本当にありがとう。東京に行ったらあんまり頻繁には会えなくなるけど、いつでも連絡してな」
まっちゃんの言葉に、俺もAも少し涙が滲んだ。
「もうっ！まだ最後じゃないじゃん！空港に見送りに行くし！」
涙を拭いながらAが言った。
「そうだよ。ちゃんと行くから」
「...ありがとう」
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三人とも涙ぐみながら、いつもの帰り道を並んで歩いた。
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これがこの制服を着て、このメンバーで歩くのは最後なんだと思うと、なんとも言えない気持ちになった。
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作者名：柚奈 | 作成日時：2020年4月25日 15時
