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「俺も昨日夕方にAと話して、その時にやっぱりまっちゃんのことが好きだって言われたからさ。わかってたよ」
「...そうだったんだ」
それでもなおまっちゃんは申し訳なさそうな表情をしていた。この神妙な雰囲気を変えたくて、俺は持っていた焼酎を一気に飲み、
「もう！俺のこと気にしない！そりゃ切ない気持ちもあるけどさ、嬉しいのも本当だよ。
それに、中学の時だって高校の時だって、まっちゃんが東京に行った後だって、いくらでも言おうと思えば言えたのに、勇気がなくて言えなかった俺が悪いよ。
言ってても変わらなかったかもしれないけど、でもそれはそういう運命だったんだと思う」
それは本心だった。
そして、自分自身が後悔していることでもあった。でもきっと、仮にもっと早く伝えていたとしても、Aが俺を見てくれることはなかったのではないかと思う。
「...ありがとう。そう言ってくれて」
まっちゃんがその後にごめん、と言いそうな予感がした。
でもこれは誰が悪いとかいう問題ではないので、絶対に謝らせたくなかった。
「いいよいいよ。間違ってもごめんなんて言わないでよ？(笑) 謝ることじゃないから」
その俺の言葉に、一瞬まっちゃんの目に涙が滲んだが、
「わかった。本当に、ありがとう」
笑顔でそう言ってくれて、心から安心した。
気まずい雰囲気なんて俺とまっちゃんには似合わない。
「いえいえ。さぁ、飲むかぁ！」
「飲むしかないな！」
そうして、いつものように飲み始めた。
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だんだん酔っ払ってきていることは自覚しつつも、このテンションならAも呼べる、と思い
「ハッシーも呼ぼう！」
と提案した。
少し酒で頬が赤くなっているまっちゃんが、「呼ぶかぁ」と言いながらAに電話をかけ、その後Aもやってきた。
最初こそシラフのAは少し気まずそうにしていたが、途中からは昔から変わらない、いつもの三人の空気に戻っていた。
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店を出てから、三人で昔と同じ並び順で帰り道を歩いていると、ふと夕立が降り始めた。
「わっ、雨！」
なんていいタイミングなんだろう。
酒で火照った体には、冷たい雨がなんだか心地よかった。
「走ろう」
そして、夕方の土砂降りの雨の中、三人で並んで走って帰った。
やっぱり俺にとっては、この三人でいられる時間が何よりも幸せだと改めて思った。
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作者名：柚奈 | 作成日時：2020年4月25日 15時
