第2章「夏休み」3 ページ3
第2章-夏休み
.
「やったーやっと夏休みっ！！」
終業式のあと、Aが伸びをしながら嬉しそうにそう言った。
「やっとだねぇ」
いよいよ高校生活最後の夏休みだ。大学受験をする予定のまっちゃんは忙しくなりそうだが、俺もAも進学はしないため、思いっきり遊べそうだった。
「潤ちゃん塾とか忙しい？」
Aがそう訊くと
「んー、まあ忙しいけど週一回は遊べると思う。あと塾終わりの夜とかなら」
とまっちゃんが答えた。
俺とAは顔を見合わせて
「やったね」
と喜んだ。
.
学校からの帰り道、三人で並んで歩く。左端にまっちゃん、真ん中にA、右端に俺。家が近い人が一番右側に歩くという、帰りやすいように自然と成り立った並び順だった。
帰り道に三人で棒付きアイスを買って歩きながら食べていた。蒸し暑い中、ソーダ味のアイスのひんやりとした感触が口に広がって心地がよかった。
「私も家のカフェ週に何回か手伝うから、週一で遊ぶのでもちょうどいいかも！」
アイスを食べながら、Aがふと思い出したように言った。
「あ〜、確かに。じゃあ俺も釣りしようかな」
俺がそう言うと、
「なんだかんだ皆忙しいな(笑)」とまっちゃんが笑った。
そんなこんなで話しているうちに俺の家の前に着き、
「じゃあまた遊ぶ日メールで決めよう！」
とAが提案して、
「オッケー。じゃあまたね」
と手を振りながら俺は家に入った。
.
今年はどんな夏休みになるのだろう。楽しみな反面、この三人でこんなに頻繁にいられるのも最後なのかもしれないと思うとなんだか切なくなった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚奈 | 作成日時：2020年4月25日 15時
