第7章「限界」15 ページ15
第7章-限界
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ビーチの次は、海沿いの公園でビールを飲むことになった。
「昼から飲むビール最高だわ！」
幸せな時間だなぁ、なんて思っていた。
すると
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「いきなりなんだけどさ、A、山田ってどう思ってる？」
その言葉で、俺は一気に血の気が引いた。
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「え...なんで？」
Aの表情が強張っていく。
「いや、なんか近々二人で飲み行きたいって言ってたからさ。A的にはどうなのかなって思って」
それ以上言うな、と止めようとも思ったが、この文脈で関係のない俺がいきなり遮るのも変なのでヤキモキしながらも黙って聞いていた。
「...別になんとも思ってないよ」
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頼む、これでこの話は終えてくれ、と俺が願ったのも虚しく、
「そっか、でもまあ一回くらい行ってみてもいいんじゃない？」
まっちゃんが更に山田をプッシュしてしまった。
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「...なにそれ。人の気も知らないで」
Aの我慢の限界が来たようだった。
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「もう知らない。潤ちゃんのバカ！」
そう言い放って、Aは走り出した。
「え、ちょっと待てよ！」
まっちゃんが追いかけようとしたが、俺はそれを止めた。
「今行っても火に油を注ぐと思う」
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実際、きっとそうだと思う。
まっちゃんがわざと怒らせようとして言ったわけではないのはもちろんわかっているし、気持ちに気づいていないのもわかっていた。
でも、長年Aを見てきた俺からすれば、いくら親友といえども苛つかざるを得なかった。
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「まあ悪気ないのはわかるんだけどさ...さすがに今のはないと思うわ」
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そう言って、俺はAを追いかけた。
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作者名：柚奈 | 作成日時：2020年4月25日 15時
