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〇6___彼女いないの? ページ6

「へぇー、そんな事があったんだ」

「一触即発だったから驚いちゃった」

「呼んでくれたら良かったのに。俺その時間学校いたよ」

「何かっこつけてんのよ。今回のヒーローはAなの」


セウンが迷惑そうにヨンジュンを小突いたけれど、私はその言葉を嚙み締めていた。

さらっとこういう事が言える所が素敵だし、好きだなと思う。
それにヨンジュンは格好だけじゃなくて、呼べば来てくれるしきっと丸く収めてくれる。


「それでね、その助けた相手が何とあのカンテヒョン」

「マジで?あいつ、かわいい顔して無茶するタイプなんだね」

「そんなに有名だったんだ」


セウンもヨンジュンも知っていることを私は知らなかった。
その事実が少しだけ堪える。
疎外感、とは少し違うけれども、階段を一段遅れて上っているような、そんな感覚。


「ところでヨンジュン、何であんた彼女いないの?」


いきなりセウンが大砲を掲げるものだから、私もヨンジュンも激しく動揺した。


「何でって、別れたからだろ」


そう、ヨンジュンは一年の冬に当時同じクラスだった彼女と破局していた、らしい。
当時の私は他クラスに疎く、この情報もついこの前セウンから聞いたものだった。


「別れたら次がいるでしょ」

「どういう理論だよ…」


セウンの言わんとしている事は理解できた。
ヨンジュンなら引く手あまただろう、とか多分そういう意味で、


「良い感じの子は?いないの?」


ずかずかと詰め寄られて小さくなったヨンジュンと目が合う。
助け舟は出せないの意を込めて肩を竦めた。


「あ!カンテヒョンは彼女いるのかな。知ってそうな人に聞いてくる」


ヨンジュンの返事も待たずにセウンは教室を飛び出した。


「本当あいつは嵐だよ」


難を逃れたヨンジュンは髪を掻き上げながら大きく息を吐き出した。


「興味が他に移って助かったね」

「うん。ていうか……、いないから」


人差し指で鼻の頭をなぞりながら遠慮気味に名誉挽回を試みるヨンジュン。


本人の口から、そういう対象が存在していない事実を確認できたことでセウンへ感謝の意が芽生える。


決まりが悪い表情でワイシャツを羽織るヨンジュンに、「私もだよ」と同調した。


_

〇7___変な人ですね→←〇5___運命だと思わない?



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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます!!泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます!!^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか!って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:am | 作成日時:2021年8月22日 14時

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