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〇35__これで最後ですから ページ35

「俺にもテヒョンみたいな賢い頭があれば、……」


そこまで話したヨンジュンは、慌てて口を噤んでついでに右手でしっかりと口元を覆った。

まずい!そんな一言がぴったりな表情と共に。


「どうかした?」


「いや、何でもない」


あははと乾燥した笑いで誤魔化したヨンジュンが「テヒョンの得意な教科は何?」と話を逸らした。


「数学です」


「へぇ〜、どうして?」


「正解が一つしかないって魅力的じゃないですか」


「あぁ〜、うん、まぁ」と腑に落ちない様子で眉間に皺を寄せるヨンジュンには、テヒョン君なりの理論が今ひとつ伝わっていないようだった。


「Aはテヒョンの言ってる意味わかるの?」


「わかるよ、でもヨンジュンが理解に苦しむ気持ちもわかる」


数学を好む人の一定数はテヒョン君のような思考を持っている。
私は文系科目の方が好きだし、数学には正解の幅が存在しないから、たった一つの美学にはあまり賛同できない。


ヨンジュンは腕を組んで、尚も複雑な表情で思い悩んでいる。


テヒョン君の言葉を必死に消化しようとしている、と考えるには少し大袈裟な様子だった。


ヨンジュンは一体、どんな難問に直面しているのだろうか。




「あの、僕忘れ物したので戻ります」


突然テヒョン君が立ち止まった。


「そう?じゃあそこで待ってるよ」


歩道の曲がり角は広々と余裕があり、ヨンジュンがそこを指さした。
眉間に深く刻まれた皺はいつの間にか消えていた。


「いえ、二人で帰って下さい」

「時間かかると思うので」と付け足したテヒョン君は自転車をUターンさせてから、私の鞄を持ち上げた。


「Aさん、これで最後ですから」


大きく凛とした目に見据えられる。


丁寧に手渡された鞄を受け取って、何が最後なの?と聞こうとしたけれど、「お先に失礼します」と小さく頭を下げたテヒョン君によってその機会は阻まれた。


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〇36__たかが送迎、されど送迎→←〇34__方向転換



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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます!!泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます!!^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか!って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:am | 作成日時:2021年8月22日 14時

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