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〇18__好きな子=美人 ページ18

「ううん、ポテンシャルだよ。ヨンジュンの」


謙遜ではなく、本心でそう思っているから大きく首を横に振った。


「きっかけをくれたのはA」


「そうでしょ?」と言って小首を傾ける。視線が交わった。

片眉を上げたヨンジュンに「だと嬉しいな」と笑みを浮かべた。


少し姿勢を崩したのを見て、伸ばしていた両膝を倣うように抱え込む。

二人での過ごし方に戸惑う私は早くもセウンとテヒョン君の帰りを待ちわびていた。



「セウンはさ、」


新たに発せられた単語に慌てて意識を戻す。
加えて、ヨンジュンの横顔を見やる。とても綺麗な凹凸がそこにはある。


「テヒョンの事が好きなのかな」

「えっ、そうなの!?」


想定外な見解に肩が跳ねた。


「いや、俺の予想だよ?テヒョン誘いたいって言い出したのもあいつだし」


言われてみれば確かにそうだった。
今日もテヒョン君に絡んでいるシーンをたくさん見かけている、気がする。

ヨンジュンに意識が向きがちな私には正直詳しくはわからない。


それでも、セウンの言動が好きに結びつくには少し遠回りに思えた。


「あいつの浮いた話聞かないね、美人なのに」


美人という単語がキンと響く。
それは紛れもない事実だしセウンを形容するのには、ぴったりの言葉だ。

それでも、少なからずヨンジュンにとってのセウンは美人という位置取りにあって。
その構図に僅かなもどかしさを感じる。


「俺、好きな子いるんだよね」


喉がヒュッとなった。
立て続けの急展開について行かない気持ちが、この場を離れた二人に助けを求めている。


「そ、そうなんだ」


どんな子?私が知ってる子?全部違う気がした。
どの回答を得ても結局、私の心情はさして変わらないと思う。


美人と好きな子が繋がって、眩暈がした。
好きな子と美人がイコール関係になるとは限らない。

けれども、話の流れから推察してしまえば、私の答えは好きな子=美人だった。


「Aはいるの?」


あなたです、なんて言える勇気も覚悟も確信もない。
何も持ち合わせていない私が流れに任せて次を期待するのは無理だ。


「私は……、」


_

〇19__ただ眺めているだけ→←〇17__留守番よろしく



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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます!!泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます!!^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか!って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:am | 作成日時:2021年8月22日 14時

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