〇11__本物のカンテヒョン ページ11
「ね、アイスクリーム食べたい」
バックパックを背負いながら上機嫌で駆け寄ってきたセウンを制止する。
「ちょっと、もうすぐ試験なんだから。私はパス」
「ちぇー、真面目なんだから。ヨンジュンは?行くよね?」
「俺も帰って勉強する」
「噓でしょ!?」
いつ何時もダンスのことだけを考えているヨンジュンから、勉強という単語が聞こえたことにセウンだけでなく私も驚愕する。
「チェヨンジュン頭大丈夫?」と心配するセウンに「正常だ」と反論するヨンジュン。
「ダンスも運動も顔もスタイルも良いんだから、勉強ぐらい諦めてよ」
尤もらしい主張で咎めるセウンに苦笑して席を立つと、教室の入口に見知った人物を見つけた。
「あ、」
私の声に反応した二人も入口へ目をやる。
すると、教室の入口からひょっこりと顔を出すテヒョン君が緊張気味に一礼した。
「嘘!本物のカンテヒョン!」
そう叫んだセウンは真っ先にテヒョン君の下へ走った。
何を仕出かすかわからないから、慌てて後を追いかける。
「初めまして、ユンセウンです。わあ、近くで見たら本当かっこいい!」
早口に捲し立てるセウンに圧倒されたテヒョン君は口を半開きにして助けを求めてくる。
「私の友達。誰か探してるの?」
簡潔に警戒心を解いてから手を差し伸べた。
「言われた通り来たんです。でも、ジャングルに迷い込んだ気分」
抱えていた問題集を掲げながら、きょろきょろと辺りを見回すテヒョン君。
迷える子羊だ。
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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます!!泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます!!^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか!って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:am | 作成日時:2021年8月22日 14時