【HQ!!】地味なあの子は隠し事をしている。2

86.作詞作曲:天川七 ページ44

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Tanahata side









成程。私は少し白布賢二郎という男を甘く見ていたようだ。まさか彼に七夕A＝天川七ということがバレているとは考えてもいなかった



賢二郎に去り際あんな事を言われた私はぼーっとベンチに座って動けずにいた。相変わらずぼんやりと月の光が輝き、生暖かい風が頬を撫でていく。こちらでは相変わらず星が見えない








淡い色の空を眺めていれば、ジャージのポケットにあるスマホの振動が伝わってきた。画面を見れば、そこには[新田さん]の文字









『七夕です』



新田[馬鹿かお前は！！！！！！！！]









耳にスマホをあてた途端に叫ばれた事によって、耳の奥がキーンとなる。全く、どこで叫んでいるのかは分からないが近所迷惑になるだろうに








『…なんでしょうか、御用がないなら切りますが』



新田[なんでしょうかってお前な…

俺が何回連絡しても返信は疎か既読すら付けないってどういう事だよ！？


仕事用の方に連絡しても無駄だし…今日だってもう5回は電話したんだぞ！？！！？]



『申し訳ありません。休暇中ですので、仕事のお話はお断りします』








相変わらず大きな声で話し続ける新田さん。確かに電話は一日目から既に8件、メールは15件来ていた。プライベート用でこれなのだから仕事用のスマホは…考えたくない。やはり彼は暇なのだろうか









新田[…はあ、お前ってほんと…まあいい、



合宿はどうだ、上手くやってるか？]



『新田さんは私の親か何かでしょうか


心配は無用です。本題はそうではないでしょう』



新田[ま、実際そんなもんだからな


ならまあいいんだけどな。

残念ながら、本題はお前の思ってる通り"オシゴト"のお話だよ。新曲の件だ]



『…成程。歌詞の方は合宿中に終わりそうですよ。メロディーはできて頭のみ、ですかね』









基本、作詞作曲は自分で行っているため、それの確認についての電話だったようだ。…無視していたのが申し訳なくも感じたが、もし誰かに会話の内容を聞かれてはひとたまりもない




その後一言二言会話を交え、電話は終了。また中庭に静けさが戻った



時刻は21時半。スマホの画面には舞からの【今どこ？】のLINEが表示されている









『…戻ろ』








再び声を作り、それを確認するように独り言を呟いた。…やはり最後まで、賢二郎に声を作っているのが何故バレたのか分からなかった







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最近亀更新で申し訳ございません(´；ω；｀)

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