83."従兄弟"なんてやめた ページ41
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No side
生暖かい風が風呂で熱くなった彼の頬を優しく撫でる。地元の宮城以上に暑い東京は夜でもほとんど星は見えず、虫の音もあまり聞こえない
白布賢二郎は中庭に数個並んでいるベンチの1つに腰をかけてスマホの画面を理由もなく見つめていた。
A「…お待たせしましたかね」
白布「…っ、やっと来たかよ。10分遅刻
それと、いつまで声作ってんだよ」
A「…ごめん。お風呂に入ってきたら時間なくなった
地声だと色々と都合が悪いから、ね」
そんな彼の目の前に音もなく現れた彼女。相変わらず髪はボサボサで目元があまり見えないが、その瞳は昼間とは違って青色だった
時刻は午後9時10分。彼女が約束に遅れるなど初めての経験で、白布は驚いているようだ
一見彼女に対して嫌味っぽい白布だが、実際には長らく聞いていない彼女の声を一刻も早く聞きたいだけなのである。彼の言葉にAも観念したのか、素直に地声で話し始める
白布「…その髪、また染めたのかよ」
A「ううん。これはウィッグだよ
染めるのは手間がかかるから。」
白布「ふーん
取らねぇの？」
A「…こんな所で取ったら誰かに見られるよ」
パサついたウィッグの毛先を彼がすくいとれば、表情を変えずにポツリと呟く
そんな彼女を横目で見た白布は眉をひそめ、大きくため息をついた
Aは白布の様子を見て首を小さく傾げる
刹那、Aが気がついた時には既に彼女はベンチに押し倒され、目の前には先程まで隣に座っていた彼が不機嫌そうな顔で彼女をじっと見つめている
白布「…じゃあ、こんな所見られたらどうなんだろうな」
A「…何のつもり？
賢二郎、疲れているなら早く休んだ方がいい」
真っ直ぐAを見つめる白布を、彼女もまた真っ直ぐに見つめ返す。このような状況であってもAは少しばかり眉をひそめるだけで、その表情にほとんど変化は見られない
＿＿＿それが、余計に白布を苛立たせる事を彼女は知らないのだ
白布「…やめた」
A「？…賢二郎、どうしたの」
白布「お前の従兄弟、やめる」
その時の彼の表情は、何時になく真剣だった
Aは少し目を見開き、その青色の瞳がゆらりと大きく揺れた
月明かりはまるでスポットライトのように彼らを照らし出す。夏の夜の生暖かい風が、再び彼らの頬を撫でた
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84.その立場は甘えだった(Shirabu side)→←82.共通点
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8airi3(プロフ) - 教えていただきありがとうごさいます！！さっそくやらせていただきます！！ (2021年4月11日 6時) (
レス) id: 24ae341109 (このIDを非表示/違反報告)
@ゑの(プロフ) - 8airi3さん» コメントありがとうございます!!ぬああお褒めいただき光栄でございます!!画像はhttp://uranai.nosv.org/bbs/img/こちらで申請許可されたURLを貼れば可能です！ご参考になればうれしいです！ (2021年4月10日 23時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
8airi3(プロフ) - 面白いです！すごく続きが気になります！ところで画像ってどうやって貼ってるんですか？出来れば教えて下さい！ (2021年4月1日 9時) (レス) id: 24ae341109 (このIDを非表示/違反報告)
@ゑの(プロフ) - 絲彩さん» コメントありがとうございます!ふあああ更新遅くなり本当に申し訳ございません(´；ω；｀)できる限り更新スピードを早めますのでこれからもよろしくお願いします!! (2021年3月30日 14時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
絲彩(プロフ) - 久々の更新嬉しくて、深呼吸しながら読みました笑これからも無理のないように頑張ってください!! (2021年3月29日 15時) (レス) id: 26bb475f58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@ゑの | 作成日時：2021年1月24日 21時
