【HQ!!】地味なあの子は隠し事をしている。2

75.親しみやすさに定評あり ページ33

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No side









滑津「A！A！

こっち終わったから手伝うよ！」




A「ありがとう。こっちは大丈夫だから、舞は清水さんと仁花ちゃんの方お願いできるかな？


多分、水道にいると思うんだけど」



滑津「りょーかい！行ってきます！」









ミーティング、各校アップも終わり、早速練習試合がスタートした。マネージャー達は自身の学校の準備に加え、マネージャーのいない青城、白鳥沢、音駒の分の準備も行うため今まで以上に忙しい様である



そんな中、しばらく緊張や不安でガチガチだった滑津はすっかりAと打ち解けたようで、先程からAの後に着いて行っては名前を呼んでいる






かくいうAは、表には出していないが、白布に遭遇しないように気を配っているため既に気疲れしていた。こんな状況であっても決して作業の手を抜くわけではないのが彼女なのだが。タオルやドリンクを運びながらも、横目でしっかりと選手の調子等を観察しているのは流石と言ったところだろう









犬岡「ああ！Aさん、呼んでくれたら運ぶの手伝ったのに！」




A「1人で運べるから大丈夫。


あ、灰羽くん、少し来て」



灰羽「？なんすかー！」



A「さっきの試合、少し指先切れたでしょ


テーピング、自分でできるなら渡すけど」




灰羽「えー！なんで分かったんですか！？

あ、自分で出来ないんでやって下さい！」









今日も音駒のサポートをしている彼女は、灰羽の言葉には何も言わずに手馴れた手つきで彼の指にテープを巻き始めた




どうして、と言われても彼女の観察力をもてば試合の様子を見ていれば変化にすぐ気づくことができるため、大それたことをしている気は全くないのである









灰羽「おー！七夕さんって意外と器用なんですね！」



犬岡「Aさん俺も！」



芝山「僕にもやってください！」



A「…犬岡くんと芝山くんは怪我していないでしょう」









相変わらずAの後をついて回る2人の扱いにも慣れてきたのか、彼らをあしらいつつ選手たちにタオルやドリンクを手早く配る



音駒とすっかり馴染んでいるAは表情には出さないもののマネージャーとしての仕事を楽しんでいるようで。とてつもなく居心地の良さを感じているのだった






そんな彼女を遠くから目で追っている彼の存在に、気づく者はいなかった





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