【HQ!!】地味なあの子は隠し事をしている。2

57.曲がり角にはご注意を ページ11

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Tanahata side









白福「A〜、ノートの通りに作ったけどやっぱりいつもと違うって言われた〜」




『ふむ、皆さん意外にもドリンクの味を鮮明に覚えていらっしゃるんですね』




清水「そういえば前の練習試合の時も言ってたね」









食堂にて昼食の準備中、私たちの話題はスポーツドリンクについてだ



いつもの部活では私が参加している日は必ずドリンク作りをさせて貰っている。自分に出来ることはこのくらいだと思ってやっているのだ



事実、私がボトルやタオルを手渡そうとすれば選手に嫌な顔をされるだけだ。だったら可愛らしい先輩に渡すのはお任せして自分は裏方をやればいいだけの話だろう



選手たちの飲んだ量からそれぞれの好みの濃さを観察し、時にははちみつやレモンを入れてみたりしてその度にノートに書き込む作業を繰り返す。人の観察は得意な方だ









『ノートに書いてあるのはあくまで"ベースの好み"なんです


その時のかいた汗の量、疲労感、調子等々によって細かい好みは左右されますから』



雀田「はあ、ほんとAには頭上がんないわ…」


谷地「(やっぱり七夕さんってすごい人だ…美人だし仕事できるし…)」









特に大それた事はしていないのだけれど、と思いながら淡々とおにぎりをつくる。衛生面等々を考えて手では握らず型にはめて作るタイプのものだ。確かに楽だがおにぎりは握ってこそおにぎりな気がする




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昼食も作り終え、練習の状況を確認するために体育館への廊下を歩く。ちなみに他のマネージャーは食堂で少し休憩中だ。午前はずっと立ったままだったため皆疲れているようだった







「うおっ、」


『んっ…』








曲がり角にさしかかった時、ドンッという音と共に身体に衝撃がくる




しまった、ついぼーっとしてしまっていた。突然のことに対応しきれず足元がグラつくが、頭は意外にも冷静で受身を取る事を考えていた









「…っぶねぇ…大丈夫すか？」









しかし、身体に衝撃が来ることはなく、先程ぶつかってしまった彼が私を支えてくれた様だ。最近はこんな事ばかりな気がする









『…ありがとうございます。助かりました

ぶつかってしまい申し訳ございません、お怪我はありませんか？』



「あ、いや…大丈夫っす」









安否を確認しながら彼をちらりと見る。黒色のジャージ、という事は烏野高校だろうか。しかし、先程までの練習には居なかったように思える




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