【HQ!!】地味なあの子は隠し事をしている。2

60.地味子=幽霊 ページ14

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Tanahata side








マネージャー全員で浴場に向かった際に、タオルを部屋に忘れた事に気づいた私は1人廊下を歩いていた



廊下は薄暗いが目が慣れれば苦をする事もないため電気はつけずにいた。さすが私立、合宿所もとても綺麗で快適だ




浴場に向かう廊下を歩いていれば、何やら廊下に落ちている物が目に入る。どうやら歯ブラシセットのようだ。手に取ってみるが、名前等は見つからない



途方に暮れて廊下を見渡せば、長い廊下の突き当たりでオレンジ髪の後ろ姿が見えた。彼は確か、烏野の…




彼がここを通ったのであれば、彼の持ち物の可能性が高いだろう。後に面倒な事になる前に届けなければ




なるべく早足で彼の背中を追ってその背中へと声をかけた









『あの、』



日向「…へ？


！！！ひ、ひぃっ！！！」



『！ちょ、ちょっと…！』









私の声に立ち止まった日向くんだったが、私の顔を見た瞬間に顔を真っ青にして廊下を走り出した。少し急いだせいで前髪が顔にかかっていたからだろうか



とりあえず早く落し物を渡したいためその背中を追うが、やはり男子高校生、速さが女子のそれより圧倒的だ。どんどんその背中は遠ざかっていく





スタミナのない私はどんどん減速し、すぐに息がきれた。疲れたものは仕方がない、お風呂に入ってから返そう




はあ、とため息をつきつつ廊下を歩き浴場に近づいた時、ふと話し声が聞こえる。会話を聞く限り、どうやら日向くんも会話の中にいるようだ



曲がり角を曲がれば、やはり彼の背中がそこにある。ラッキーだ、そう思い先程と同じように彼の背中へと声をかけた








『…あの、』



「「「「ぎゃああああああ！！！

出たああああああ！！！！！！」」」」



縁下「…やっぱり、梟谷のマネージャーさんか、」








突然の彼らの悲鳴に耳を塞ぐ。成程、彼らの反応で大体の状況は把握できた。この状況で"出た"なんて言う理由は1つしかないだろう









『…驚かせてしまい申し訳ありません


梟谷のマネージャー、2年の七夕です。悪霊の様に見えるかもしれませんが、人間です』




田中「…日向、どういう事だ」









2年生の方々は冷静に私を見れば、ようやく誰なのかを理解したようで、ほっと一息ついていた。田中くんに至っては日向くんをじとっと見ている




日向くんはといえば、まだ状況が飲み込めていないようで口をぱくぱくとさせながら私と田中くんを交互に見た





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