【HQ!!】地味なあの子は隠し事をしている。

26.第一印象はしっかりと ページ28

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Tanahata side







入学式の次の日、私たち1年生の今日の授業はほとんどがHR。1時間目は各教室でオリエンテーションを受けていた






それにしてもさすが私立高校、校舎は綺麗、設備もしっかりしている。ここに特待生として入れたのは大きい気がする



苗字的な問題で席は廊下よりの列の後ろ側だったが、その席に不満は無かったし、正直周りの席の人達とそれなりの友好関係が築ければ十分だ



友達がいて損はないし、何しろこの見た目だ、さすがに妬まれることはないとは思う




担任は笑顔が絶えない明るそうな男性だった。クラスメイトと早くも馴染んでいる
そんな担任だと、当然"自己紹介"というものを1人ずつさせられるもので。名簿順の自己紹介が始まった




さすがにクラスメイトの名前は覚えておいた方がいいかな、と一番の彼に目を向けた









「…赤葦京治です、バレー部に入部したいと考えてます。

よろしくお願いします。」









それだけ言うと赤葦くんはすっと席に座った

…なんだかとてもあっさりした自己紹介な気もするが、始めはきっとこれくらいなんだろう



彼のくせ毛をじっと見ながら、バレー部という響きに胸が少し傷んだ






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自己紹介を聞いている上で、このクラスはだいぶ雰囲気がいい事がわかった


男女共に賑やかで、茶化したりはあるものの節度を弁えていた




そして気がつけば次は私の番となっていた
この見た目だと、やはり第一印象は暗く思われてしまうだろう。せめて自己紹介だけでも明るくいきたいものだ






「じゃあ次は七夕、」




『はい。


七夕Aです。宮城県から引越してきました。こんな見た目ですが、バレーと歌うことが好きです


東京の事はまだ分からない事が多いので、是非多くのことを教えてほしいです。よろしくお願いします』








地声よりも少し高めの声で言って頭を下げれば、クラスメイトの拍手が響き、「よろしく！」「宮城のことも教えてね！」なんて温かい言葉をかけてもらえた。悪くなかったようだ




HRが終わり休憩に入ると、早速何人かのクラスメイトに話しかけられる





宮城の事やバレーの事、好きな音楽など内容は豊富で、早くも友達が何人かできた






久しぶりのこの感覚はやっぱり嫌いじゃなくて、久しぶりに自然な笑顔で話せた気がした









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