2.出る杭は打たれる ページ4
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Tanahata side
小学校高学年に上がった時、私はようやく、人間関係を築く上で容姿はとても大切であるという事実に気付かされる。
それは、小学5年生になってすぐの事。
放課後、忘れ物をした事に気づいた私は、教室から聞こえる声に気づきドアの前で足を止めた
『(…誰か、いる。)』
ドアの小窓からこっそり中を覗けば、教室の中では、いつもクラスの中心核にいる女の子が3人、楽しそうにおしゃべりをしていた
『(…いいなあ、)』
友達が欲しかった私は、彼女達をみて純粋にそう思った記憶がある。私も、あんなふうに友達と教室で笑い合いたい
『(…帰ろう、)』
彼女達をみて虚しくなった私は、忘れ物は諦めて帰ろうと教室に背を向けた時
「それにしてもさー、Aちゃんの髪って、ほんと白髪みたいで気持ち悪いよね。」
「わかるー!病気なんじゃない?ほら、目の色も私たちと全然違うし!
もしかして、Aちゃんに近寄ったら病気がうつっちゃうんじゃない?」
「なにそれやだー!
そう言えば、私のお母さんから聞いたんだけど、Aちゃんのお父さんとお母さんってずーっとお家に居ないんだって」
「病気だから捨てられたんじゃない?
病気な上に捨て子とか、かわいそ〜」
きゃはは、と楽しそうに笑う3人の声に私はその場から動けなくなった
どくん、どくんと心臓の音が聞こえるくらいうるさく感じる。息が詰まって、心臓がぎゅうと握りしめられたみたいに痛い
『(ああ、だから友達ができなかったのか。)』
でも、頭の中だけはやけに冷静だった。
人というものは、他と違うという事を嫌う。出る杭は打たれる、という言葉はその後になって知ったが、確かにその通りだと思った
唯一腹が立った事と言えば、父親譲りの髪色と目の色を貶された事だった
身内に綺麗だと言われて伸ばした髪を悪く言われたのは、相当にショックで。
祖父母に見つからないように、その夜は静かに枕を濡らした
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自分に何故友達が出来ないかを知ってからは、周りの目を気にする毎日
誰かが笑っていると、自分のことな気がしてならなかったし、全員が私の事を笑っているように見えて怖かった
1日1回両親と電話をする時、そして、大好きな歌を聴いて歌う時が私の心の癒しだった
そんな日々を過ごしていた小学五年生のこの年、私はやっと"友達"と呼べる存在ができるのだ
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@ゑの(プロフ) - 秋蛍さん» ご指摘ありがとうございます!!ああああなんという事を申し訳ございませんんん(;ω;)作者全く気づいておりませんでした、尾長くんですすみませんんん、 (2021年3月3日 19時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
秋蛍(プロフ) - あの…突然のコメントですみません!34話の長尾くんって人は尾長くんではないでしょうか?オリキャラならすみません! (2021年2月27日 9時) (レス) id: 29e99f8be9 (このIDを非表示/違反報告)
@ゑの(プロフ) - ドクさん» コメントありがとうございます!!ふへへ産みの親になれて光栄です(?)!!これからもどうぞすこでいてくださいよろしくおねがいします(´;ω;`) (2021年2月26日 19時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - スコティッシュフォールディングダイブっす…無理すこ…産んでくれてありがとうございます (2021年2月26日 8時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
@ゑの(プロフ) - おみゅらいちゅさん» コメントありがとうございます!!ふあああ嬉しすぎますありがとうございます!これからもがんばりますよろしくお願いします!! (2021年1月25日 20時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@ゑの | 作成日時:2021年1月3日 22時