13.意識 ページ14
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小田ちゃんが出て行って数分もしないうちに無言で立ち上がって座敷を出て行った遥輝。
トイレへと立ち上がった上沢を捕まえる。
「漏れそうなんで一刻も早く行きたいんすけど」
「いやこっちはお前のトイレより大事やけん」
「？？」
「遥輝と会ったら声かけてやって」
「いや卓さん行けばいいじゃないすか」
酒の影響か火照る体を「あっつ」と言って仰ぐ上沢はひとつ返事で了承はしなかった。
「お前が言うから効果あるんだって」
「何で？」
「小田ちゃんと仲良いから」
「あ〜〜」
なるほどその話ね。と、頷いた上沢。
いや、分かってなかったんかい。
「じゃあ、小田ちゃんは卓さんに任せますね」
「は？なんで？」
「遥輝さんと仲良いから」
そろそろヤバイんで！、と襖を勢いよく開けて上沢は座敷を出て行った。
汗のかいたグラスを飲み干す。
しかしどうしたもんか。
ここまで気にかけておいて、正直こういう役回りは得意じゃない。
「卓、なんか頼む？」
声をかけてきた鍵谷を見て、あ。と思った。
「鍵谷、あのさ」
簡単に話をして、2人の仲をどうにかできないかと相談する。
「遥輝が嫌ってないってのを小田ちゃんに分かって貰うのが一番じゃない？」
戻ってきた小田ちゃんを視界に入れた鍵谷は「まぁ、頑張れ。卓」とだけ残して投手陣の輪の中に戻ってしまった。
「小田ちゃん、ちょっとよか？」
なんですか？と言う彼女を遥輝の席に座らせて
「遥輝のことどう思ってる？」
「…どう、と言われても…」
単刀直入な質問に困ったように笑う。
「嫌ってるわけじゃないん？」
「そんな事ないです！ぜんぜん！
むしろ私の方が何で嫌われてるか知りたいくらいで…」
「遥輝も小田ちゃんの事嫌ってないよ」
「…え？」
いや、え？と固まった彼女に笑いが漏れる。
襖が開く気配に顔を向ければやっと目当ての奴が戻ってきたようで。
自分の席にいる人物に「うわ、」という顔をして立ち尽くす遥輝に
こっち、と手招きをして小田ちゃんの隣に来るよう呼ぶ。
落ち着かない様子で腰を下ろす姿に
遥輝も小田ちゃんから嫌われてないってのを知ったんだろうなと。
トイレから戻ってきた上沢が並んで座る2人を見て口を緩ませる。
様子を伺いつつタイミングを必死に探してる2人を見て助け舟を出してやろうかとも思ったけど
ここまでやってやったけん。
後は自分らで頑張ってくれ。
(自ら踏み出す一歩に期待して)
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Miyu - とても面白かったです！！続きはまだでしょうか！！楽しみに待っています (2018年7月31日 10時) (
レス) id: 6001d11beb (このIDを非表示/違反報告)
聖也(プロフ) - おりか様と風宮様とか最強タッグ過ぎてもう泣 とりあえず作中の西川さんが現実味がハンパないですね。文春かよ好き… (2017年11月17日 1時) (レス) id: 34ecd099f6 (このIDを非表示/違反報告)
風宮(プロフ) - あーちゃむ_さん» 嬉しいお言葉恐縮です！ありがとうございます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: b612ad788d (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃむ_(プロフ) - はじめまして！ いつも楽しく読ませていただいてます！ こんな西川選手がいたらと思ってた西川選手が出てきて1人で興奮してました笑 なにより言語が豊富、というか、表現が上手、というか…読んでいて描写がすごいわかりやすくて…！更新楽しみです！頑張って下さい！！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: 84197ee7ff (このIDを非表示/違反報告)
おりか(プロフ) - いーさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年10月27日 21時) (レス) id: f2eb7c3b81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりか＆風宮 x他1人 | 作成日時：2017年10月6日 16時
