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□梟の画策 / 占い師 ページ25

ふいに聞こえたわざとらしい着地音に、またか、と呆れてため息を吐く。

前回はいつだったろう。二日前?三日前?もうそんな事を考えるのも馬鹿らしくなってしまうくらいの頻度でこの部屋を訪れている彼は、まあ余程暇なのだろう。

晩御飯を作っていた手を止めベランダに出る窓がノックされる前に、それを開錠した。
途端に私を包み込んだのは立派な羽で、ふわりと香る都会では嗅げない自然の匂いにほっと肩の力が抜けるのを感じる。そう、たったこれだけで私はだいぶ絆されているのだ。


「こんばんは、A」
「鳥類人として遵守すべき法定飛行高度を守ってから出直して」
「だって君、エントランスから行っても自動ドアすら開けてくれないだろう」
「勿論、予定にない訪問だからね」


それと、恋人でもない異性を気安く抱き締める不貞な人は嫌いだよ。

半ば拒絶染みたそれを告げれば梟の獣人――イライ・クラークは苦笑しながらも身を離した。彼越しにベランダを見れば数枚彼の羽が落ちていて、私の視線の先のものに気が付いたイライさんは「後で掃除しておくね」とさっさと窓を閉めた。

全く、仕切り板の隙間からお隣さんのベランダに入ってしまったらどう責任とってくれるんだ。マンションは住民同士のコミュニケーションも大切だというのに。

一緒にキッチンに入ってこようとするイライさんを手で制し、洗面所を指差す。まさか外から入ってきてそのままな訳がないだろう。

作業途中だった、鶏肉を熱したフライパンで焼いていればびちょびちょの手をお化けみたいにぷらんとさせたイライさんがキッチンに入ってきた。

たまに野生味を出してくるのやめてほしい。いつもは人間のルールや生活が分かっているのにたまにこうなんだから、彼も随分チグハグだなぁ。


「今日の晩御飯は?」
「鶏肉」
「わぁ……いや、好きだけどね」
「何だ、共食いなんて嫌だーって帰るかと思ったのに」


くすくすと冗談を言えば、イライさんは私に手渡されたタオルでもたもたと手を拭きながら笑った。

/→←□こうして未来は / リッパー



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yuki maki(プロフ) - Twitterフォロー失礼しまーす (2022年5月1日 17時) (レス) id: 6c4d3fd2ca (このIDを非表示/違反報告)
名無してゃん - 人外シリーズ待ってましたっ!ほんとに楽しみにしてたので嬉しいです(´˘`*)ありがとうございます(´˘`*) (2020年12月23日 18時) (レス) id: 256c8decd9 (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - ハルさん» 閲覧、コメントありがとうございます。私の他にも同じ感性(?)性癖(?)の人がいて嬉しいです(´ω`*)尊いとまで言って頂けて…!嬉しみの極みでございます…!こちらこそありがとうございます…! (2020年2月18日 1時) (レス) id: a8cecf9880 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 人外シリーズ好きです。尊いです。有難う御座います。 (2020年2月12日 13時) (レス) id: ca92ab3e55 (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - 黒いロシア帽さん» 閲覧、コメントありがとうございます〜。つまり禿げですね(((そう言ってもらえてとっても嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります! (2020年2月3日 15時) (レス) id: a8cecf9880 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遊歩 x他1人 | 作成日時:2019年11月17日 22時

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