彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ8)

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□Story.108 ページ8

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予想通り、教室では今から受験生としての自覚を持つように!

今から戦いだぞ!なんて受験モードを担任から押し付けられた。

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でも、そんなことよりもさっきのアイツの台詞。

不正解……って、正解は自分だって

言いたそうなあの自信にあふれた横顔。

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その視線は一体誰を一番に捕えているんだか。

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「萌々香、それペアリングでしょ。」

萌々香「クリスマスにね、お願いしたんだ。」

「いいなぁー、指輪何て貰ったことないよ。」

「私もー。萌々香が羨ましいよ。」

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アイツが何を考えているのか全く分からねぇ。

木下も鈴森も傷つけて何がしたいんだか。

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SHRを終えて、俺は鈴森のコートと鞄を自分のと一緒に

肩に掛け、寒い廊下を再び一人で歩く。

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保健室のドアをノックすると、先生がいて

「もう下校時間だもんね」と言って俺を入れてくれた。

そして、この後すぐに職員会議があるらしく

山積みの資料から数枚を引き抜いて保健室を出て行った。

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クリーム色のカーテンをゆっくり開ければ

体を縮こまらせて寝ている鈴森がいて

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その頬には俺が行った後にも泣いたらしく

涙の跡がくっきり残っていた。

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目尻には涙の粒。

俺が頬に触れるとそれがぽろっと零れて

不謹慎だけど綺麗だな、何て思ったり。

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俺を想って泣いたわけなんてないのに

アイツのことを想って泣いたのは分かってんだけど

そう思ってしまった。

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俺の指先が冷たかったのか、ビクッと鈴森は顔を動かした。

ゆっくりと長い睫毛が上を向くと

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潤んだ瞳が俺を捉えれば、

小さな手が俺の制服の袖をきゅっと掴んだ。

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あ「一人で帰れるよ。」

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和也「その割に、俺の袖ちゃんと掴んでますけど?

ほら、帰りますよ……一緒に。」

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