□Story.150 ページ50
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俺のパーカーの袖をぎゅっと掴んだその力強さから……
いいや、部屋に入った瞬間に俺を捕えたあの瞳から
意思の強さを感じていた。
ずっと見てきたから分かっちゃうんだよな。
よし、大事な話をしよう。
そう決意して俺のとこにやってきたことくらい
簡単にわかんのよ。
すげぇ好きで、ずっと見てきたから。
手に取るように分かんの。
・
和也「何言っても怒んないからさ……
ゆっくりでいいから、言ってごらんなさい?」
・
どんな結末であっても受け止めてやるからさ。
・
例え、俺にとって辛い結末でも。
Aが考えて、考えて……
考え抜いたんなら、俺に言えることは無いから。
そんな、噛み千切ってしまうんじゃないかってくらいに
下唇を噛みしめて、ぎゅってしてないで。
肩を震わせて、怯えないで。
言葉を喉に詰まらせないで。
・
考え抜いたその答えを、
どれだけ泣いて考えたか分からない答えを
ただ、俺に突きつければいいの。
・
あ「あのね、二宮……」
・
和也「ん、何ですか?」
・
ただの強がりだって自分が一番わかってるけど、
今、ここで俺がAを引きとめるようなことを
言ったら、お互い前に進めないから……
涙が溢れそうなのを気づいてるのに
気づかないふりしてるの……許してくれよ。
・
あ「今更って思うかもしれないけど、私……」
・
あの海に一緒に行った日。
間違いなく、Aはアイツではなく
俺を選んでくれた。
それは信じているからね。
綺麗な思い出として語れる日がいつになるか
分からないけれど……
・
あ「私には……！」
・
テーブルに置かれていたAのスマホが
ブルブルと震えた。
別にみるつもりなんて、
覗くつもりなんてなかったけど
反射的に画面を見ちゃって。
・
“櫻井翔”と表示されたディスプレイ上に
綺麗な涙が落ちて、弾けた。
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＊
移行しました!
Part4でも引き続きよろしくお願いいたします。
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作者名：おんぷ♪
| 作成日時：2014年6月2日 14時
