彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ46)

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■Story.146 ページ46

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和也「えっ、何で…………」

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「何でって、失礼な言い方ね。

和也に用事があって家の前にいたからよ。」

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お姉さんはそう言うと、近くのリモコンを手に取り

二宮の部屋に暖房を入れた。

そして、そのまま何も言わずに部屋のドアを閉めて

二宮は私にクッションを投げてきた。

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和也「突っ立ってないで座りなさいよ。」

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ずっと一緒に帰れなかったことも、

用事あるって言って避け続けていたことも

責めることなく、問い詰めることもなくて。

また、君の優しさに甘えそうになった。

いつだって、私が何も言えずに黙っていると

私の痛みを和らげるかのように言葉をくれて。

心が苦しくて、痛くて仕方が無かった時

すぐに手を差し伸べてくれて。

・

和也「その格好で家から来たなんて

上には上がいるもんだな。」

・

だけど、ずっと頼ってばっかりじゃ、

甘えてばっかりじゃいられない。

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ポケットに入れっぱなしだったスマホを取り出して

テーブルに置くと、コトン……

そんな音さえも、大きな音のように感じるくらいに

この部屋は静かだった。

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和也「あ、飲み物。いるよ……」

・

立ち上がった二宮のパーカーの袖を

きゅっと引っ張った。

・

自分でも必要以上の力を込めているのがわかって

パッと離したけれど

今度はバチッと目があって。

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和也「飲み物、いらないか。よし、お話聞こうじゃないの。」

・

“大事な……話なんでしょ?”

・

今日も私の鼓膜を揺らす二宮の声は優しかった。

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