彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ42)

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■Story.142 ページ42

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“ごめん、明日も家族との用事があるから帰れないかも”

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文面をちょこちょこ変えて、テスト期間中

何度も似たようなLINEを二宮に毎晩送り続けた。

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すぐに既読になって、了解という意味を込めての

二宮からのスタンプが押されて……の繰り返し。

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逃げたって意味がないことは分かっているけれど

二宮とどこか向き合うのが怖くて。

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横顔さえ見れない日が3日ほど続いた。

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「色々な意味で終わったんだけど。」

「同じく。まぁ、赤点とらなければいよね。」

「解放感、はんぱねぇー!!達成感はねぇけど。」

「帰り、カラオケ行こうぜ。」

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私もいつもなら友だちとこの後、駅前の

クレープ屋さん行ったりするんだけどな。

そんな気分になれる訳もなく、

二宮との帰りを断った手前、そんなことはできなくて。

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春の訪れが近づいてきているにもかかわらず

まだ寒い学校の外に一人出た。

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相変わらずぴゅーっと吹く風が乱暴に頬を撫で、

綺麗にまとまっていた横髪が視界の邪魔をする。

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よく見れば、通学路の街路樹には

小さな蕾ができ始めているから、

きっと、このマフラーとのお別れが近くて。

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それを思うと、いつもイタズラして引っ張って

口元をクイッとあげて笑う二宮の表情が容易に浮かんだ。

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胸が締め付けられる感覚はもう何度目かもわからない。

キリキリと痛むココロにそっと手を当て

歩き出して数歩。

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ポンポンッと優しく肩を叩かれた。

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「ちょっと時間ある?」

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