彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ5)

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□Story.105 ページ5

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好きというにしても、俺じゃダメかと聞くにしても

もっとかっこつけて言いたかったけれど

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キスだって、もっと雰囲気ある時と場所でしたかったけど

全然そんな余裕なんてどこにもなかった。

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この子、本当にちょっと会わない間にどれだけ痩せたんだろう。

隙間ができないように抱きしめようとすると

いつも以上にきつく抱きしめる必要があって。

でも、抱きしめすぎると冗談抜きで骨が折れてしまいそうで。

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ゆっくりゆらゆら揺れる瞳が俺を捉えれば

ガラガラっとタイミング悪く保健室のドアが開く音がした。

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ヒールの音で保健の先生が来たのがわかり

俺はカーテンの外へと出る……

・

前に、鈴森と目を合わせようとし振り返ったけれど

俯いていて合うことはなかった。

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保健の先生はさっき俺が書いた鈴森の名前を見て

俺に“授業サボっちゃだめよ”と言って

カーテンの向こうに消えていき、

俺も保健室から出てとぼとぼと教室に戻った。

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冬の廊下は極寒地獄。

ポケットに手を突っ込んで歩いていけば、

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こんなタイミングで遭遇すんのか。

服装検査を終えて体育館から戻ってきたアイツの姿を見つけた。

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翔「どうも。」

・

軽く喧嘩を吹っかけられてから久々に会う。

ぺこっと頭を下げて、後に続くように階段を上がれば

何か言いたいことでもあんのか、足を急に止めた。

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そして、振り返り、下段にいる俺は見下ろされる形で、

上段のアイツは俺を挑発するように言った。

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翔「何か最近、Aと仲がいいらしいね。」

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