彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ38)

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■Story.138 ページ38

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忘れて、と言った君の瞳は悲しみに溢れていた。

あんな台詞を言わせたのは紛れもなく自分で、

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ずっと二宮に甘えていた私が言わせた台詞なんだ。

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玄関で靴を脱いでいると、ぺたぺたという小さな足音が聞こえる。

その足音の主にぎゅって抱き締められたら、涙が零れた。

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望愛「おねぇちゃん、ないてるのぉ?」

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あ「ん?そんなことないよ。」

望愛「うそぉ。なみださん、いっぱいだよ?」

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いつもの君の指先じゃない。

小さな小さな手が一生懸命に私のほっぺを撫でる。

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望愛「おねえちゃんから、いたいのいたいのとんでいけー。」

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望愛が眩しかった。

綺麗な瞳が羨ましかった。

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綺麗な瞳が……二宮と重なった。

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無邪気に魔法をかける望愛のその体を抱き締めると

すべすべのほっぺが私のと重なる。

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君がいつも私を抱き締めてくれるように

優しく抱きしめた。

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望愛「おねえちゃん?」

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あ「望愛、ありがとう。」

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ポンポンッと小さな頭を撫でて、自分の部屋に駆け込んだ。

ドアを閉めた瞬間、力が尽きて……

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ドアに沿うようにしゃがみ込むと

魔法をかけて貰っても……

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涙がゆっくり、また頬を伝った。

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真っ暗な自分の部屋。

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あの終わりが見えない暗闇のトンネルから

抜け出したと思ってたのに…………

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結局、私はずっとあのトンネルにいたままだったんだね。

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