彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ36)

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■Story.136 ページ36

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心の中で黒い渦が巻いている。

そして、それが外にもれだしている気がする。

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そんなわけなんてないのに、ぎゅっと掴んでいる

二宮のブレザーが汚れていく気がしてならなくて。

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この手を離さなくちゃ、

君の優しさに甘えてばかりいられない。

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そう思って、震える唇を動かそうとすれば

君はそんな私を簡単に見透かしていて

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和也「そんなに絞められると俺、死んじゃう。」

・

いつものようにイタズラに、口角をきゅっとあげると

私を望愛と勘違いしているんじゃないかって思うくらい

子どもをあやすようにポンポンッと背中を撫でながら言うの。

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和也「泣くくらい言いたくないなら、胸にしまっておきなさい。」

・

悪魔のささやき?それとも天使のお告げ?

ふわっとほっぺが包まれると、こつんと額がぶつかった。

・

和也「帰ろっか。俺、気が利くからコートも荷物も

持ってきてあげたんですよ。十分に感謝してくださいね。」

・

二宮の姿が歪むのは私の汚い瞳が涙でいっぱいだから。

もっと言えば、自分が悪いから……

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貴方のあの日と何も変わらない瞳の色を見て戸惑って

そのくせ、君の優しさに縋り付いている。

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あ「二宮…………」

和也「ん?」

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あ「嫌いになった時は……はっきり言ってね。」

・

どんな私でも好きでいてくれるなんて言ってくれたけど

その約束破られても、私は怒らないから。

だって、君は私を守ってくれるけど

私は君を傷つけてばかりで。

・

和也「あのねぇ、言ったでしょ。

俺はどんなAでも好きでいるって。」

・

光りが手に届くところまで来ているのに

どうして手を伸ばすことを躊躇ってしまうのかな。

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