彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ34)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:358,646 hit

■Story.134 ページ34

＊

＊

＊

翔「お前なんて最低って、

浮気するヤツ何て最低って……言えばいいじゃん。」

・

ずっと想い続けてきた貴方に

大っ嫌い、最低って言葉を私が言うの?

浮気した人が最低ならば、貴方も私も……

・

あ「最低なのは一緒だから……言えない。

だって、断ることだってできたんだもん。」

・

翔の弱みに漬け込むように、傷を癒すふりをして近づいて。

もし、あの時ちゃんと違う形で貴方の幸せを願えていたら、

貴方の傷を塞いであげられたら、

貴方も君も、萌々香ちゃんも私も誰も傷つけずに

そして、誰も傷つかずに済んだのに。

・

翔「Aは俺とは違って……今更何かじゃないね。

ずっと優しすぎんだよ、誰に対しても。」

・

窓に書いた“ごめんね”の文字が貴方の手によって消された。

・

振り返った時の貴方の瞳は私を捕えて、

悲しみを含ませ小さく揺れた。

・

翔「もう……全部、俺のせいなのは分かってる。

これからも全部俺のせいにしていいから……」

・

背中に回る腕。

抱き締められた体は確実に戸惑いを隠せていなくて、

・

重なった唇は一瞬であっても、

また過ちを重ねたことに変わりはない。

・

貴方の瞳はあの日と同じ色だった。

＊

＊

＊