彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ33)

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■Story.133 ページ33

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例えば、体のどこかが痛い。

そうであれば、お医者さんに見てもらってお薬を貰えば

すぐに……回復するのに。

君へのこの罪悪感はそんなすぐに消えるものじゃなくて

横になったって深い眠りにつけなくて。

心の中で二宮に何度も何度も謝ることしかできなくて。

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寒かったけれど窓際に立って、窓にぴたっとおでこを

くっつけると涙がこぼれた。

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曇っている窓ガラスに指で“ごめんね”って

言葉で書いてみると余計に涙が零れて。

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6時間目が始まったみたいでチャイムが鳴る中、

一人ボーッと窓の外の冷たい世界を見つめれば

クリーム色のカーテンが微かに揺れた。

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保健の先生ではないその人影にぐっと体が構える。

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あ「授業中だよ、まだ。」

・

保健の先生はさっきから気配が無くて

きっと職員室でお仕事をしているんだと思う。

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私が窓に書いたあの文字を見つめる瞳は冷たくて

だけど、声のトーンは優しかった。

・

翔「全部……俺が悪いから。Aは何も悪くないよ。

さっきのことも、この前のこともごめん。」

・

君の優しさは私をそっと包みこむけれど、

それと同時に罪悪感ももたらす。

・

けどね、貴方の優しさは……私の心をぎゅっと締め付けて

そして、戸惑いをもたらすの。

・

あ「何で、今更……優しくするの。」

・

この前から、今更……の言葉が貴方は多すぎる。

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翔「んなの……分かんねぇよ。」

・

あ「分からない……って、そんなこと言うくらいなら……」

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冷たい瞳で、低いトーンで言って欲しかった。

・

あ「大っ嫌いって言ってよ。」

・

突き放す言葉を吐き捨ててくれれば、

貴方に遠慮せず、君が差し出すその手を迷いなく掴めるのに。

・

翔「それ……冗談でも言えねぇよ。

そっちこそ……俺に大っ嫌いって言えばいいじゃん。」

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