彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ26)

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■Story.126 ページ26

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抵抗もできたはず。

突き飛ばすこともできたはず。

でも、そうしなかったのは……なぜ?

二宮に協力してもらって、お願い聞いてもらって。

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頑張ってかけたはずの電話は何も意味が無かった?

求められると結局は抵抗しなかった自分が今、ここにいて。

でも、二宮との時間を壊したくないのもここにいる自分。

・

枕元に転がっていてスマホを手に取ると

メッセージに既読をつけたままの画面が表示された。

・

既読を付けたまま返さなくたって怒る人じゃない。

けど、そのままにしていたらあの綺麗な瞳に

何かを勘繰られそうで……

・

通話のボタンをタップし、すぐに聞こえてくるいつもと

変わらない君の声に涙が溢れだすんだ。

・

あ「二宮…………」

・

声が震えないように……そう思ったって誤魔化しきれない。

君にだけは誤魔化しきれない。

・

((泣くなら俺の前で泣きなさいよ。涙拭いてやれないよ?))

・

君は優しすぎる。

いつもそうだから、その優しさに甘えちゃう。

・

あ「ごめんね。」

・

ぽろぽろと涙が零れるから天井を見上げる。

ぎゅっと瞼を閉じてもどこにそんな隙間があったのか、

涙は止まることを知らなくて。

・

((何がごめんなのよ。Aは何も悪いことしてないでしょ?))

・

君の優しすぎる言葉に罪悪感がじわりじわりと

胸に広がり、余計に涙が溢れてきて。

望愛がクズった時以上に泣いていた。

・

あ「二宮は……何で、優しいの?」

・

この時、君はどこまで分かっていたの?

・

どこまで……私の気持ちがわかっていたの?

・

((大好きだから、彼氏なんだから……

……優しくするでしょ。))

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