彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ13)

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□Story.113 ページ13

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和也「嫌いじゃないってことは好きでしょ?

俺は鈴森じゃなくちゃダメなんですよ。」

・

分かってるよ。

アイツがダメだったから俺。

・

何てすぐに乗り換えられねぇって考えてんの分かるよ。

けどさ、んなの……待ってられる余裕が俺にはないわけ。

・

きっと、アイツは俺が目を離したちょっとした隙に

鈴森をかっさらていくんだから。

・

“じゃぁ……返事待ってるから”

・

何て余裕をもって言ってしまったら、

簡単に俺の傍から離れて行くだろ?

・

あ「きっと他の女の子でも……そう思うよ。」

・

和也「思わねぇって。

こんなこと言ったの……初めてよ、俺。」

・

あ「嘘だ。」

和也「嘘じゃねぇって。」

・

きっと、このままじゃ埒が明かない。

また鈴森が泣きだすのを待つだけで……

・

どっちかが大きく動かない限り、

どっちかが一歩踏み出さない限り……何も変わらない。

・

潮風に靡く鈴森の髪をそっと耳に掛けた。

鈴森は俺と視線を合わそうとはせず、俯いて。

・

でも、俺は視線を上げてくれることを信じて

傷つくのをも覚悟して言った。

・

和也「俺のことが無理なら……何も変わんないからさ、

何も……俺は変わんないから、拒絶して。

どっちにしてもけじめつけないとダメでしょ。」

・

変わらないわけなんてねぇのに。

どっかしら狂いが生じるのは目に見えているのに

そんな嘘を言うのはもしかしたら俺もアイツと変わんねぇのかもな。

・

顔を傾けると、俯いていた顔が上がる。

鼻先が擦れて、額がくっついて。

・

鈴森は一度も俺のことを拒絶する素振り何て見せず

むしろ、自分から俺の唇へと重ねたように見えたのは……

・

きっと好きすぎる俺の中の鈴森の幻影だ。

・

けど、今は……俺を選んでくれた、そう思っていいんだよな?

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