彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ12)

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■Story.112 ページ12

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ザーッという波音にかき消されない二宮の声。

きっと、持っていたって……きちんとけじめをつけられない。

ちゃんと、この恋に改めて終止符を打つの。

翔への想いを封印するの。

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私の手から零れ落ちたネックレスは砂浜に寂しげに落ちた。

そして、やってきた波にさらわれていく。

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和也「遠い国の人が物凄く親切だったら届けに来るかもね。」

あ「そうだとしても……私は受け取らないよ。」

・

今日で私の恋は終わった。

・

和也「じゃぁ……帰りますか。」

・

あ「……もう少しだけここに私はいるよ。

でも、二宮は先に帰っても……」

・

和也「あのねー、俺が女の子一人にするわけないでしょ。

それにさ、もう一回言うけど……」

・

私の真正面に立つ二宮の瞳は綺麗。

その瞳に映る自分は……

・

和也「鈴森のことが好きだよ。」

・

自分が汚く見える。

・

好きだといってくれるのは嬉しいけど

それに揺らぐ私は本当に馬鹿みたいで。

・

あ「嬉しいけど…………無理だよ。

翔がダメだったから、二宮と……何て……」

・

都合がよすぎる。

まるで、保険をかけていたみたいで、

妥協したみたいで二宮にすごく失礼な気がする。

・

だって、二宮だってモテるんだよ。

女子がキャーキャー言ってんの知ってるし、

わざわざ、こんな傷物の私と付き合うなんてさ……

・

和也「俺のこと嫌い?」

・

あ「嫌いなわけ……ないじゃん。」

・

私と付き合ったら二宮は損しかしないと思うんだ。

だから、可愛くて、面倒じゃない子と付き合えばいいと思う。

・

なのに、君はまた私の心を見透かす。

・

“嫌いじゃないってことは好きでしょ?

俺は鈴森じゃなくちゃダメなんですよ”

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