彼女の恋は終わりから始まった。 Part.3【名前変換】 (ページ2)

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□Story.102 ページ2

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ドアを軽くノックすると何も応答が無く、

ゆっくりと中を覗くと美人で有名な保健の先生はいなかった。

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あー、そういえばあの人って3年生の副担だったっけ。

服装検査に駆り出されてるんだとすぐわかり

とりあえず、保健室利用者リストのところに鈴森の名前を書き

彼女をベッドに寝かせた。

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和也「ゆっくり休みなさいよ。

どうせ、今日は授業ないんだし。」

・

おそらく、この後はもう今から受験生だぞ、

何て葉っぱかけられるだけで

明日からの授業の説明が軽くあるだけだろう。

・

クリーム色のカーテンを引っ張ってベッドを囲む。

このまま俺もサボろうかとも思ったけど

どうせいたって俺、何も声掛けらんねぇしな。

・

そう思い、カーテンを閉めたついでにそのカーテンで

区切られたスペースから出て行こうとすれば

・

鈴森が急に体を起こした。

・

でも、別に何かを言ってくるわけでもなく

目線すら俺と合わなくて。

・

どこかわからないところ見つめて、顔を俯かせていた。

・

和也「どうした?具合……悪いんだろ。」

・

俺ができることってこれくらいだからこれ以上一緒にいると

あの日に言えなかったことを言っちゃうよ、俺?

・

鈴森が聞きたくないこと……あの日の言葉の続きを言っちゃうよ?

だってさ、喉の奥に言葉が詰まりすぎて

窒息死しそうなんだから。

・

苦しくて苦しくて、そのつまりを吐き出したくて。

いつ言葉が零れておかしくねぇの。

・

あ「二宮…………」

・

切なく震えている声。

掛け布団をぎゅっと握りしめるその小さな手の甲に

ポタッと落ちた綺麗な雫。

・

あ「本当は知ってるんでしょ……知ってて

知らないふりしてるんでしょ。」

・

そんなセリフを零して、彼女を自分の顔を手で覆った。

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