白波の向こう側【OP】 (ページ7)

今日:21 hit、昨日:0 hit、合計:303 hit

5 ページ7

「…いつか一人で海に出てみたい、なんて言ったら怒るかな」

「怒りはしないが何かしら手は打つだろうな」

「誰かを護衛につけるとか、日数まできっと決められてしまうよ…」

それだったら、いっそのこと夢は夢のままのほうがいいのかもしれない。

この島に生息するヒヒには未だナメられているけれど。剣術は真似出来たとしても、悪魔の実の能力まではとても真似出来ない。そろそろ〝威嚇〟しなければ、不用意に縄張りを拡げようとしてくるのだ。

「もう行くのか？」

「父上がいない間のことは任されてるからね。すぐ戻るよ」

お茶が冷めないうちに、と笑う。

立てかけていた大太刀を背負い、あろうことか彼女はバルコニーから飛び降りた。

地面との距離が近くなる。鈍い音が聞こえなきゃいいけど、と考えていたリベラだったが聞こえてきた咆哮と大きな翼が空を切る音に安堵した。