空高く、どこまでも…【鬼滅の刃】 (ページ4)

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【過去編】はじまりページ4

＿＿時は大正

のどかで平和な村には今日も畑を耕す者、家畜の世話をする者、走り回る子ども達の姿がある。

『私、絶対お父さんみたいな立派な柱になるからね！』

「その意気だぞ！最終選別まであと少しだ。しっかり稽古についてこいよ！」

『うん！』

木刀を手に、真剣な表情で父である天宮星彦にそう宣言するのは天宮家の長女、天宮ひなのだ。

「お姉ちゃーん！一緒に遊ぼうよ！」

『駄目！今お父さんと稽古してるんだから！』

「あらあら。」

ひなのの妹である天宮ひなはつまらない、というように頬を膨らませている。その光景を笑顔で見守るのは母である天宮ひなえだ。

『ひなも一緒にやる？』

「えー……私はいいよ。」

ひなのの両親はどちらも“ 鬼殺隊 ”という鬼を滅するという組織に所属していた。父は柱、母は隠としてそれぞれの責務を真っ当していた。

鬼殺隊に入ると決めていたひなのだが、彼女は父と同じ呼吸を使わない。

父は元砂柱だったため、その娘であるひなのも同じ砂の呼吸を使うだろうと思われていたが、彼女が使う呼吸は“ 天の呼吸 ”という見たことも聞いたこともない呼吸だった。

父の厳しい稽古にも弱音を吐かずについてきたひなのは、間違いなく着実に実力を上げている。

もうすぐ十一になるひなのはその年にある最終選別に行っても無事に戻ってこられるだろうと父は思っている。

しかし、その目前であのような出来事が起きてしまうとは誰も予想はしていなかっただろう。