引き込まれる Knt(sz) (ページ4)

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「あのさ…もしかしてというか、多分というか、まぁほぼ間違いないんだけど…」

3人にもごもご伝える

「前置きなげーな笑」
凪くんにまたからかわれる

「なになに？どうした？」
と優しい木崎くん

「このスマホ、私のじゃない…」

しーんとする個室

「え？どした？どういうこと？」

めぐちゃんが私が持っている、私のものではないスマホを手に取る

「ほんまやっ！！これAちゃんのやないっ！！」

めぐちゃん、ずっと関東にしか住んでいないのに突然の関西弁発動。

「さっきイケメンさんと衝突した時にスマホとバッグ落としたんだ…向こうもスマホ落としてたから、その時入れ替わっちゃったんだよね、きっと…」

今度はめぐちゃんの手元にある、私のではないスマホが震える

「A、A、電話！また菊池ってなってる！持ち主さんじゃない？」

ちょっと電話出てくるねと伝え、席を外した。

ふーっと長めの息を吐いて電話に出る

「もしもし…」

「もしもし、すみません中島と申します」

中島って言った…

菊池って表示があって、中島から電話かかってきた…

9割ブルだ…

中島さんは続ける
「スマホを拾っていただいた方ですよね…？」

「あ、はい。そうなりますね…」

拾ったという表現はしっくりこなかったので、不思議な返事をする。

「あの…失礼ですが…先程赤坂の駅の近くでぶつかった方でしょうか…？」

遠慮がちに中島さんが聞いてくる。

「あ…はい…」

突然中島さんの声が大きくなった。

「良かったー！！あの時の方ですね！！あの時俺、間違えて貴方のスマホを拾ってしまったようで、貴方のスマホは俺が持ってるんです！！」

良かったー…返せるー…と小さな声が聞こえる。

…中島さんすごいな。自分のスマホを返してくれって言う前に、先にこちらに返すことを気にしてくれるんだ。