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9年前。
ある日、同じサークルの先輩にご飯に誘われた。
その先輩とは、あまり会話はしたことがなかったけど、噂で、私を気に入ってくれてるとは聞いていた。
それが、あの例のゆうくん。
ゆうくんと初めて行ったご飯は楽しかった。
そして、初めてのご飯の帰りに、次はデートしてみないかと聞かれ、二つ返事で答えた。
でも、バレないようにしようねって、皆んなにからかわれると恥ずかしいからと、照れながら言われた。
そこに仕掛けがあったことに気付かなかった。
Aとデートなんて夢みたいだと言われ、そのデートの帰りに、抱きしめられながら告白され、頷いた。
ゆうくんはすごくマメだった。
時間があれば、大学から私の家まで2時間もかかるところを送ってくれた。
毎日バカみたいに連絡をくれた。
毎日大好きだって言ってくれた。
半年経ったくらいの頃のデートの時だった。
カフェでお茶をしてた時、ゆうくんの電話が鳴った。
その時、表示された名前は[あやちゃん]。
嫌な予感がしたけど、その時は何も聞かなかった。
別のデートの日のドライブ中、たまたまゆうくんが携帯を車に置いて、コンビニに買い物に行った。
私は車に残っていた。
見たらいけないと思いつつ、携帯を開く。
着信履歴くらいなら…と思い、着信履歴を見たら、そこは[あやちゃん]の名前でいっぱいだった。
あぁ、そういうことなんだとほぼ確信して、携帯を閉じた。
そういえば、デート中もたまに誰かと電話してることあった。
その時の自分はやけに冷静で、浮気されてるならサヨナラしなくちゃと、車に戻ってきたゆうくんに告げた。
携帯を見たこと。
別れたいこと。
ゆうくんは、泣きながら私に謝った。
あやちゃんとは、別れるからと。
あやちゃんは、私の先輩でもあるあやさんなこと、もう2年付き合ってることをその時聞いた。
あぁ、私が浮気相手の方だったんだと呆然とした。
結局、私は別れずそのまま流された。
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作者名:こうこ | 作成日時:2019年12月26日 23時