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「A？考えごと？」
「え？あ？ごめん。」
「できたよー！」
「すごいね！早くない？」
「なんせね、パスタを茹でて、買ってきてあったパスタのソースをかけただけだから笑」
でもね、このソースほんとに美味しいからね！と、また少年のような笑顔を向けてくる。
それを見て、私も自然と笑顔になる。
なんだか、この人に惹かれてるって認めたら、気持ちが楽になったかも。
「こっち来て？食べよ？」
キッチンの前にある、2人用のダイニングの椅子に腰掛ける。
「A、ワインあるけど飲む？」
「いや、ワインは…」
「嫌い？」
「梅酒以外だと、ちょっと心配…」
「俺だけだから、大丈夫だよ笑」
「じゃあ、ちょこっとだけもらいます…」
「かしこまりました、お姫さま♡」
「姫っていう歳でもキャラでもないです…」
そんなこと言わないでーとワインを渡される。
「1週間お疲れさま。」
2人で乾杯をする。
「いただきます。」
手を合わせてから、パスタを口に運ぶ。
「わっ、ほんとだ、美味しいね！」
「でしょ？沢山買い込んであるから、またいつでも作るよ。」
すごく美味しくて、一瞬で食べ終わる。
好きな人とご飯って、やっぱり美味しいし嬉しいな…
「ご馳走さまでした！作ってくれて本当にありがとう…」
そうだ、健人くんに謝らなきゃ。
もらったワインをグイッと飲み干してから、声をかける。
「ねぇ、健人くん。」
「なぁに？A。」
「あ、うん、あのさ…」
「なになに？ドキドキしちゃう俺。」
「いや、そんなドキドキする話じゃないんだけど…」
「なんだー。じゃなくて、どうしたの？」
「今日…何時から？」
「ん？何が？」
「何時から待っててくれてたの…？」
「そんなこと気にしないの。」
「気になるもん。」
「へ…？A…？」
「気になるんだもん。」
「あ…グラス空っぽだ…そういうことね…」
「なぁにが？どしたの？」
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作者名：こうこ | 作成日時：2019年12月26日 23時
