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ついに明日が来てしまった。
つまり、授業参観当日。
授業参観は５時間目だから、まだまだ時間はある。
でもやはり、緊張してしまうのは仕方がない。
周りの人は皆、今日授業参観だねー、などと言ってわくわくしているようだが、私はちっともexcitingしていないんだ。(バカ丸出し)
ふと時計を見る。
HRまではまだまだ時間がある。
・・・と言ってもたった５分ほどだが。
まぁいいや。
そう思い、机に突っ伏した。
・
ついに５時間目が来た。
徐々に集まってくる親たちは、何処か子供に期待しているような目を向ける。
じっと授業の始まりを待っていると、後ろから親同士の会話が聞こえてきた。
会話の内容からして、きっとこの親同士は顔見知りなのだろう。
もう少し聞いてみることにした。
「由里(ユリ)ちゃん、中学校で成績良かったんでしょう？可愛いのによくやるわねぇ〜」
「いえいえ、そんなことないですよ〜。それよりも美紀(ミキ)ちゃん。オーディション受かったんですよね？凄いわ〜、さすがですね〜。きっと親が良いんですねぇ」
・・・もうやめよう。
聞いてるだけで虫唾が走る。
親同士の関係を保つため、仲間外れにされないために、相手にお世辞を言いまくる。
そんな事思ってないくせに。
みんな、自分の子供が、自分が一番だと思ってるくせに。
どうせ世の中自分のことばかりでいっぱいだ。
そして、授業が始まった。
前言ったように、今回の道徳は二人一組授業。
何をするのかは全く伝えられていないので、生徒も親も何をするのかと、ドキドキを隠せないでいる。
・・・あ、勿論私は例外ね。
先生が口を開く。
「よし、じゃあ今回の道徳の課題を言おう。それは・・・相手の良いところを知ろう、だ！」
・・・・・何年生だよ。
相手の良い所を知ろうなんて小学校以来やったことないかもしれない。
案の定、生徒の大半は反応もせず、固まっている。
「ははは、喜んでる喜んでる。良かったなー、自分の良い所を知るいい機会だぞー。ってことで、前決めさせたペアで隣同士に座ってみようか」
「・・・は―――――い」
クラスの人が色んな方に散らばる。
勿論私は動かない。
だって私の席に座りたい人なんていないじゃん。
そして照美くんが隣に座る。
「よろしく、Aちゃん。たっくさんAちゃんの良い所、見つけるからね！」
と言って笑った彼の顔は、太陽みたいにまぶしかった。
『うん、私も』
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作者名：ネギ | 作成日時：2014年7月31日 17時
