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あの日から・・・入学式の日から3日。
結局私はあの人にお礼を言えないまま、時間だけが過ぎて行った。
そして今私は、今日説明されたばかりの図書室に来ている。
休み時間は人が多いから、勿論放課後に、だが。
図書室に入り、やっぱりこの図書室デカイなぁ、とか思いながら辺りを見渡す。
すると、見慣れた人物を見かけた。
入学式の日に笑いかけてくれた、あの男の子だ。
お礼、今言おうかな。
お話、してみたいな。
でも、私なんかに話しかけられても迷惑なだけなんだろうけど。
そんな考えがぐるぐると頭を駆け巡る。
どうしよう、どうしよう、ずっと考え込んでいた私に、誰かが声を掛けた。
「何してるの?本、読んだりしないの?」
『え・・・あっふぁい!!・・・じゃなくて、すみません。邪魔でしたよね』
そう言って、急いでその場から退く。
今私が立っていた場所は、ドアの前。
ここなら邪魔だと思われても仕方が無いだろう。
急いで謝ったが・・・おい、どうすんだ私。
先輩だったらどうすんだよ。
取り敢えず顔を確認しようと、おずおずと頭を上げる。
金髪に赤い目。
そこに居たのは間違いなく、あの人だった。
「ははっ、そんな謝らないでよ。別に邪魔だとか思ってないからさ。ずっとそこで考えてるようだったから、ちょっと気になっちゃって」
『あ、は、はぁ。なんかすみません』
その人・・・亜風呂くん?は、また少し笑ってから
「だから謝らないでよ〜。それより、何考えてたの?凄く深刻そうな顔してたけど」
えっと、これは言っていいのだろうか。
答えはNOだ。
絶対引かれるだろうが。
ここは、少しオブラートに包んで言ってみようじゃないか。
『えっとですね、あの、この前のお礼を今言おうかな〜とか・・・。ちょ、丁度見かけたので・・・』
「ははっ、なんだ、そんなことか。そんなの当たり前の事しただけだよ。だから気にしないで!」
『え、でも一応・・・有難うございました。凄くうれしかったです』
やっと言えた。
私がホッとしていると、亜風呂くんは戯けたように笑ってからこう言った。
「どういたしまして!僕の事、どんどん頼っていいからね!ヨロシク、Aちゃん」
彼が私の名前を呼んだ瞬間、胸が弾んだ。
『よろしくね、亜風呂くん!』
この人の為と思えば、私も変われるかもしれない。
高1の春、私は恋をしました＿__________。
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作者名：ネギ | 作成日時：2014年7月31日 17時
