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Story4 ページ4

同棲をはじめた当初。

僕はたまたま、Aちゃんがカッターで腕を傷つけているところを見てしまった。

彼女の腕に走る傷と紅い血が、すごく痛々しかったのは今でも覚えている。


見た瞬間、頭が真っ白になって。
その時すぐにカッターを取り上げ、どういうこと、と問い詰めた。



『何してるの、Aちゃん…………? 痛い、でしょ?』

『これはっその、ちがくて、何もなくて、』

『何もなかったらそんなことしないよっ?
ねぇお願い、悩んでるんだったら教えてよ』



必死で懇願したら、彼女は震えながら教えてくれた。



昔からメンタルが弱くて、パニック障がいのようなものを患っていて。
ずっとストレスを溜め込んでいたら、夜の無意識のうちに暴れてしまっていて。

物を投げたり、叩いたり、引っかいたり、蹴ったり、
一度はペットの首を絞め殺そうとまでしたことを、家族に教えてもらったそう。

もちろんAちゃんは、そんな自分が許せなかった。

暴れないように、ストレスが軽減できるように。
自身の身体を傷つけることを覚えてしまったらしい。



『色々試してみたんだけど、これが1番効果があったの…………
自分以外のものが壊れない方法が、これしかなかったのっ…………!!』



必死そうに言うAちゃん。
本当にがんばって方法を探したことが分かる。


その結果が、僕にとっては最悪だっただけだ。



『気持ち悪いこと言っちゃってごめんね…………?
あ、わたしがもし暴れたら危ないから、寝るときは部屋の鍵閉めてね』



苦しそうに笑う彼女を見て、胸が痛くなる。

自己犠牲にもほどがある。
自分が代わってあげられたら…………と思った。






………………あ。
それだ。



『ねぇ、Aちゃん』

『、っあ、ごめん、ごめんなさいっ!
嫌だよねこんな彼女、ほんとにごめ、』



僕は焦るAちゃんの唇に、そっと指を置いた。


きっとAちゃんは、僕が彼女自身を気持ち悪がってるとでも思っているんだろう。


そんなことない。
僕の相手は、君だけ。

君の相手も、僕だけなんだから。




『僕に提案があるんだ』

『て、いあん?』

『そう



















誰かを傷つければいいんだよね?
だったら、僕を殴ってよ』

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ゆう(プロフ) - 泡糖さん» わわわ…… 泡糖さんだ……! 尊敬してる泡糖さんにそう言っていただけて嬉しいです! ありがとうございます! (2022年5月17日 20時) (レス) id: 868f63c1d3 (このIDを非表示/違反報告)
泡糖(プロフ) - 続きが気になる面白さでした!二ページくらい読んだら続きは別の日に読もうって思ってたのに、最後まで見てしまいました…!!ゆうさんの表現方法がお気に入りになりました!別の作品も読んでみます! (2022年5月17日 19時) (レス) @page16 id: eaad00c70c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - おとうふさんさん» コメントありがとうございます。そうですね…… 暴力を愛だと思い込んで受け入れていたるぅとくんは狂っていなかったのでしょうか……? という作者の独り言をお納めください。 (2022年5月15日 22時) (レス) id: 868f63c1d3 (このIDを非表示/違反報告)
おとうふさん - すっごい面白かったです!最初は夢主ちゃんの方が狂ってるなぁと思ってたんですけど最終的にはるぅとくんの方が狂ってるなとおもいました。エンドはハッピーエンドでもなくバットエンドでもない、メリーバットエンドになっていたのがとてもいいなと思いました(*^^*) (2022年5月14日 22時) (レス) @page16 id: b48d62d9e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - るかりこさん» こちらこそイベントに参加させていただき、ありがとうございます!あと2〜3話で完結なので、最後まで見ていただけたら嬉しいです! (2022年5月6日 21時) (レス) id: aa752bd893 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆう | 作者ホームページ:×  
作成日時:2022年4月23日 19時

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