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3人に気づかれないように、零れそうになった涙を必死にこらえる。
いつまでもここにいてはいけない。
「とりあえず、霞柱様を安全な場所に運んで治療をしましょう。……おそらく、毒をくらっているでしょう?泡も一通り吐いてしまったようですし、運んでも問題ないかと思います。」
私は霞柱様から視線を外し、周囲を見渡す。
少し離れたところに、こんな状況でも刀を研ぐ…おそらく鋼鐵塚さん。
きっと炭治郎くんの刀を研いでいるのだろう。
「もう一体の鬼は今炭治郎くんたちが戦っています。先ほどの鬼は斬られたので、下級の鬼が出てくることはないと思います。」
私はできるだけ霞柱様の身体楽になるように抱える。
華奢な体だなと思ったけど、それはやはり間違いだったことを身をもって感じた。
「霞柱様を運んですぐここに戻ってきます。鋼鐵塚さんのことですから、そこから動かないでしょうし……。難しいかもしれませんが、できればあまり目立たないようにしていてください。」
テキパキと状況を説明する私に2人もぽかんとしていたが、すぐ返事をしてくれた。
私は足に力を入れて駆け出す。
ここから近く、治療もできる場所……きっと里の入口あたりなら隠の方もいるかもしれない。
下級の鬼を召喚するのは霞柱様が斬ったあの鬼だけ。
同時に召喚されていた鬼もいなくなっただろうから、里も少しは落ち着いただろうか。
ーーーーー
あの後数分で霞柱様を治療できる場所に辿り着き、隠の方に引き渡すことができた。
それからすぐ元の場所まで十分ほどで戻り、なんとかあとの3人も安全な場所に連れてくることができた。
これで一安心だ。
私はというと、恋柱様と恒のところに向かっている。
この嫌な気配からして、まだ最初に戦った鬼がまだ生きている。
恒や恋柱様、炭治郎くんと禰豆子さんと不死川くんがいてもこんなにかかるのだ。
やはり厄介な鬼だったのだろう。
少しうろ覚えだった方角だったが、前に進むほど戦っている音が聞こえる。
「!!」
戦いによって開けたであろう場所にでたときに私の目に飛び込んだのは、傷だらけの恒と同じくそうだが鎖骨あたりに霞柱様と似た痣の浮き出た恋柱様。
幼い少年の見た目をした鬼。
そしてヘビだかトカゲだかの見た目をした血気術が縦横無尽に動き回っていた。
私の到着に気づいて隙ができた恒に血気術が届きかける。
私は思わず叫んだ。
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奇跡 叶(プロフ) - 頑張ってくださいね!いつも楽しみに読んでいます! (2022年10月3日 22時) (レス) id: d4674379cc (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - わああ!!ありがとうございます!!ログイン初のお気に入り登録が私の作品だとは……!めっちゃ嬉しいです!しかも神作品だなんて!まじで感謝です!嬉しすぎます! (2022年10月3日 19時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
奇跡 叶(プロフ) - ログインしたので初めて、お気に入りに入れさせてもらいました!こんな神作品を作っていただきありがとうございます! (2022年10月3日 2時) (レス) id: d4674379cc (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - めちゃくちゃ遅れました!ありがとうございます!直しときました!!(完全に私の名前でしたねこれ。) (2022年9月13日 20時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 8話の柱合会議のところで、名前がサキになったりツバキになったりしてるんですけど、間違いではないですか?間違えじゃなかったらとっても申し訳ないです…返答お待ちしてます。 (2022年7月3日 13時) (レス) @page10 id: d423b81b26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩弥 Ayami | 作成日時:2021年12月25日 21時