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私の視界に映った音柱様は、私の記憶の中の音柱様とだいぶ違った。
宇髄「なんだなんだケンカかー?よくねえぞ。鬼との戦いよりよっぽど地味だからな。」
恒「えっ、音柱様っ!?!?」
宇髄「そういや、無神が敬語外れてるの初めて見たな。恋仲かぁ?お前ら。」
恒「いや違ぇよ!!…あっ、えっと…違います!!」
宇髄「ははっ、お前おもしれえなぁ!」
私を他所に2人は会話を繰り広げるけど、その調子に私はついていけなかった。
「音…柱、様…」
宇髄「ん?どうした?てかその呼び方もうやめろよな。」
「っ…!」
左目にあてられた眼帯、あるはずなのに無い左腕。
ああそうか、炭治郎くんたちは音柱様とその奥方の方たちが担当していた任務に途中から参加した。
ということは……その上弦の鬼との戦闘で_!
宇髄「お前驚きすぎだぞ。鬼殺隊入るときにとっくに覚悟してんだろ。」
「ですが……」
宇髄「…お前、変わったな。」
「え…?」
あまりにも悲惨で直視できず逸らしていた目線を、ようやく音柱様と合わせる。
音柱様は興味深そうに、そして優しい顔をして言った。
宇髄「お前が柱になった時なんて、『誰にも興味無いです、私は私の目標があるのであなた達と関わる気はあまりありません。』みたいな感じだったもんなー。」
「うっ…」
そんな態度をしていた自覚があったから何も言い返せない……。
それに変わった自覚も少なからずあったけど、声をかけられるほどだったのか。
宇髄「まっ、とりあえず一安心ってとこだな。鬼殺隊を頼むぜ。」
「!」
音柱様は私の方に手を置いてニッと笑う。
その暖かい言葉と包容力は、灼熱を纏ったある人を思い出させた。
そして全てを察した。
もう音柱様は、音柱様ではないのだと。
「…はい、
宇髄「お前もだぞ?俺と煉獄がいなくなって空席が2つだからな。見た感じお前かなりやると思うし、今後鬼殺隊を引っ張っていってくれよ!」
私の返事に満足したかと思うと、今度は恒の肩に手を置いて言った。
恒は柱…だった人に褒められて期待をされたものだから慌てて返事をしたため、随分かたことな敬語になってしまっている。
宇髄「んじゃ、俺は行くぜ。…あ、竈門の病室は俺が来た方向にあるからな。お幸せにー!」
「「だから違いますって!/だから違ぇって!」」
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奇跡 叶(プロフ) - 頑張ってくださいね!いつも楽しみに読んでいます! (2022年10月3日 22時) (レス) id: d4674379cc (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - わああ!!ありがとうございます!!ログイン初のお気に入り登録が私の作品だとは……!めっちゃ嬉しいです!しかも神作品だなんて!まじで感謝です!嬉しすぎます! (2022年10月3日 19時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
奇跡 叶(プロフ) - ログインしたので初めて、お気に入りに入れさせてもらいました!こんな神作品を作っていただきありがとうございます! (2022年10月3日 2時) (レス) id: d4674379cc (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - めちゃくちゃ遅れました!ありがとうございます!直しときました!!(完全に私の名前でしたねこれ。) (2022年9月13日 20時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 8話の柱合会議のところで、名前がサキになったりツバキになったりしてるんですけど、間違いではないですか?間違えじゃなかったらとっても申し訳ないです…返答お待ちしてます。 (2022年7月3日 13時) (レス) @page10 id: d423b81b26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩弥 Ayami | 作成日時:2021年12月25日 21時