話は後で ページ19
スカウトされて、隼人君が考えさせてくださいといってから一週間がたった。
テスト期間だったためその間部活はなかったが、そのことが気になってテスト勉強どころじゃなかった、というのが正直なところ本音である。(もちろん、赤点はないけど)
部活動再開になって、部室に足を運んだはいいものの・・・なんだか緊張して扉を開けるのを
ためらってしまう。
私が扉の前で一人苦闘していたところ、
「・・・入らないの・・・?」
と背後から声がした。
今来たところのなのだろう、私の後ろに夏来くんがたっていた。
「あ、えっと・・・入るんだけど、」
「・・・大会のときのこと、なら・・・ハヤトが今日教えてくれる、と思う。」
私の考えを読んでか、小さく笑ってそういって・・・ためらっていたのをがん無視して
扉を開けた、夏来くん。
いまさらだが、何でこうも私は人に考えを読まれているのだろう。
顔に出やすいのだろうか。
部室の中に目を向けると、私たち二人以外の全員がそろっていた。
待たせてしまったのは、申し訳なかったかもしれない。
「お、やっときたな〜。何してたの??」
同じクラスなのに、と春名君が口を開く。
「あ、いや、ちょっと用事があって。」
ドアの前にずっといましたとはさすがに言えない。
「全員そろいましたし、練習しましょう。テストが返却されたら練習どころではなくなるのは
目に見えてます。」
そういう旬君と、『うっ』と呻いて固まる二名。(言うまでもないだろう)
確かに、練習どころではなくなるかもしれない。
実際、テスト前も部活どころではなかった。
「そうだなー・・・って言っていいのかは分かんないけど、とりあえず練習するか!」
困ったような表情をしつつも、やる気満々そうな隼人君に、さっきまで横にいたはずが
準備を終えている夏来君。
さっきまで呻いていたはずが、忘れたかのようにテンションの高い四季君。
切り替えが早いといえばいいように聞こえるが、まあ、どうなのだろう。
私が気になっていることなんて、無かったかのようにいつも通りだ。
五人は、話し合ったのだろうか。少し前の夏来君の言い方なら、もう結論は出ている、
と受け取れる。
「あの、」
「とりあえず話は全部後しよーぜ」
「そうっすよ、久々に部活できるんすから!」
「まあ、そうですね。話なら後でもできますし。」
「うん・・・練習したい、よね・・・。」
「て感じなんだけど・・・大丈夫?」
「い、いいけど・・・」
話は後になりそうだ・・・。
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絢 - 結構、更新できました!(テスト期間だけど) (2018年2月15日 16時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
恵 - ありがとうございます…! (2018年2月13日 21時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
絢 - 恵さん» ありがとうございます〜今回は春名を前面に、かな・・・? (2018年2月13日 17時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
恵 - こんにちは!めっちゃ面白かった!!春名がやばいですまじで。隼人Pなんだけど、やっぱりハイジョはみんな神っす! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
絢 - 復活しました!これから、たまっていた分をどんどん更新していきます! (2018年1月31日 19時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢(アヤ) | 作成日時:2017年12月11日 18時