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「やっほー、転校生。隣の席だからよろしくなー。何でも聞けよ?」

話しかけてきたのは隣の席の男子だ。
自己紹介を聞いていなかったせいなのだが、名前が思い出せない。
私の隣ということは、名簿順で一番後ろの人なのは間違いないのだが。
そんなこんなで私が自問自答していると
「で、お前、名前なんていうの???」
まさかの質問だった。
今さっき自己紹介したのに・・・と自分のことは棚に上げる。
無視する理由もないし、話しかけてくれるのはむしろ有難いのでもう一度名乗ることにした。
「渡瀬A。」
「おっけー、Aな。あ、下の名前で呼んで大丈夫?」
ずいぶんとフレンドリーな人だ。
愛想の欠片もなかったはずの私に妙に人好きのする笑顔で話しかけてくる。
「・・・別にいいですけど・・・。」
「じゃあ、Aで。あ、俺の名前も言ったほうがいい??自己紹介聞いてなかっただろ?笑」
ばれていた。
話しかけられたときの反応だろうか。
「あ、うん。じゃあ、お願いします・・・。」
「春名、な。若里春名。ピッチピッチの18歳でっす☆」
18・・・?
てことは、
「浪人・・・ですか?」
「まあ、そうなっちゃうよな〜。今年はちゃんと進級しないとな笑」
「笑い事じゃないと思いますけど・・・。」
当たり前かのように言っているが浪人だ。
ほめられたことではないだろう。これを笑い飛ばせるメンタルはメンタルですごいのだが。
「この時期にまだ桜咲いてるってすごいよなー。」
「・・・言われてみれば。」
ここまでの段階で4月だと思う人もいるかもしれないが、今は五月中旬なのだ。
私がおかしな時期に転校してきたから。
「五月に満開ってなくね?ちょうどよかったじゃん。」
「なにがですか?」
「いや、だってさ?桜咲いてると新学期って感じすんじゃんか。おかしな時期に転校してきた感が
 薄れていいかなーと。」
「はぁ・・・。」
この人の頭がよくないのはこの数分でばっちり理解できたような気がする。
親しみやすさ、といえば聞こえはいいもののいってしまえば阿呆の部類に入るだろう。
そうじゃなければ二浪なんてしない。
「あ、そういえばさ、Aは部活どーすんの?この学校所属は規則になってっし。
 早めに決めたほうが教師からも面倒なこと言われなくて済むと思うぞー。」

春→←出会いの話。



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- 結構、更新できました!(テスト期間だけど) (2018年2月15日 16時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
- ありがとうございます…! (2018年2月13日 21時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
- 恵さん» ありがとうございます〜今回は春名を前面に、かな・・・? (2018年2月13日 17時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは!めっちゃ面白かった!!春名がやばいですまじで。隼人Pなんだけど、やっぱりハイジョはみんな神っす! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
- 復活しました!これから、たまっていた分をどんどん更新していきます! (2018年1月31日 19時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢(アヤ) | 作成日時:2017年12月11日 18時

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