100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ9)

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最期の幕開けページ9

昼食を終えて、教室に戻るとオールマイトが来ていた。

オールマイト。俺を倒した時と同じコスチュームだった。

授業は既に始まっていて、皆はそれぞれのコスチュームに着替えている最中だった。

ｵｰﾙ「んんっ！君、遅刻だぞ！」

オールマイトは、俺を見て先生らしい事を言った。

教室の時計を見ると、確かに授業に遅れていた。

『…スミマセン。俺、今日が転校初日なもんで。
迷子になってしまいました。』

ｵｰﾙ「じゃあ君が転校生の逢坂Aくんなんだね？」

『……はい。よろしく…お願いします…』

オールマイトは一瞬にして俺の目の前まで移動した。

ｵｰﾙ「よろしくっ！！さぁ、君も早くコスチュームに着替えるんだ！
これからやるのはヒーロー基礎学、戦闘訓練だぜ」

そして、俺を抱き寄せてアメリカンな挨拶をする。

俺を葬った手で、今度は俺を抱き寄せる。

かつて、俺の血で染まったオールマイトの手。

まぁ…俺の手は不特定多数の100万人分の血で染まったがな。

実に、不快だ。

『……そうですか。』

俺は、勝手に盛り上がるオールマイトから自分のコスチュームを受け取って距離をおく。

今は教職をやっていたとして、俺を葬った過去が変わるわけではない。

俺も、重罪を犯した過去を変えられるわけではない。

ｵｰﾙ「？…それじゃ、グラウンドβで会おう！」

オールマイトは、俺の様子を伺いながら指示をする。

俺がとった距離の長さだけ、オールマイトも俺から距離をとる。

俺の警戒を読み取っての行動だろう。

かつて俺の命が尽きる前に殴ったオールマイトの右頬は、今では傷一つ無くなっている。

癪だな、本当に。

爆「…オイ、クソチビ。
…着替えねぇのか？早くしねーと始まんぞ」

爆豪は、俺に声を掛ける。

俺は無意識の内にコスチュームを握り閉めて、呆然と立ち尽くしていた。

爆豪が不可解そうに俺の顔を覗き込む。

『っ、あぁ。今、着替えるよ』

アタッシュケースの中には、俺の見覚えのないコスチュームが入っている。

今日、100万回目の人生がスタートしたんだから仕方無いが。

俺のコスチュームは、どこにでも売っているような赤ジャージ。

長袖長ズボンの「芋ジャージ」と言ったほうがいいか。

ダサイが、動きやすい。

さっさと着替えて、爆豪に笑ってみせる。

爆「遅えんだよ！行くぞ」

なんだかんだ、俺を待っていてくれた。

爆豪のコスチュームは格好良くていいなｗ。