100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ5)

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最期の幕開けページ5

なんだかんだ、相澤先生は俺に必要な個人情報をくれた。

第100万回目の俺の立場は、雄英高校ヒーロー科1年A組の転校生「逢坂A」だ。

父親の転勤によって、九州の田舎からこっちへ転校してきた生徒。

個性は「万斛の涙」という治癒系で、涙を使って治癒するらしい。

で、その個性には恋人が必要であり

…何万回もの一生をかけてもできなかった恋人が、今回に限ってできるはずがないということは分かる。

相「着いたぞ。ここが、雄英高校。お前が3年間を過ごすところだ。
校訓は“Plus Ultra”さらに先へって意味だ。」

目の前に広がる光景に目を疑った。

膨大な敷地に、ビル大の建物がいくつもある。

設計士の優秀さが伺える。

『広いですね…。』

さらに先へ…か。面倒臭い校訓だな。

俺はもう先へ進みたくないのに。さっさと適当に人生終わらせて、俺は解放されたい。

気が狂いそうになるくらいに、沢山の人生を経験して生きﾀﾋにを繰り返して

一体、この人生ループにゴールはあるのだろうか。

現実味のないくらい広い学校の敷地を見て、俺の浪費した99万の人生を想った。

相「そろそろ行くよ。教室に入ったら、まず自己紹介しろ。
それから、金髪で不良みたいな奴の隣の席が空いているから座れ。
いいな？」

欠伸をしながら、相澤先生は俺に指示する。

雑な説明だ。金髪の不良って誰だよ。

かつてのヴィランだった時の俺みたいだな…。懐かしい。

そいつは強い個性を持っているのか…？もし強い個性を持っていたら、それこそ俺のヴィラン時代を懐かしむ。

俺は相澤先生の背中についていった。

1年A組の教室の扉前まで来た。

相「俺が合図するまで、ここで待機な。」

『あ、はい。』

自分の情報も把握したばかりで、今度はクラスメイトの情報か。

忙しいな。毎度のことながら、俺はこの忙しさが嫌いだ。疲れる。

相澤先生は、教室に入るなり転校生の説明に入った。

生徒の声が微かに聞こえる。

ヴィランだった頃は、あまりヒーローに詳しくなかったからちょうどいい。

この人生を機会に、またいつかヴィランに戻れる時までに有益な情報を集めるとしよう。

ヒーローとは、何か。オールマイトへの憎しみで一杯一杯な期間は充分に過ごした。

今度は、立ち止まって、じっくりと観察し学ぶことにしよう。

どうせ、いつ終わるか分からない人生ループだ。

相澤先生が俺に向かって手招きする。

俺は、教室に足を踏み入れた。

『＿＿＿＿＿