100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ19)

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ヴィランに対するヒーローの存在ページ19

HRは昨日より長く感じた。

何故か俺の恋人が爆豪だと勝手に決めつけらた。

対して、授業の方は難なく過ぎた。

昨夜にかなり勉強したせいで、眠い目を擦りながらも教科書と黒板の内容を理解できた。

まだ懐かしさは残るものの、以前とは違った内容になっている単元もあるようだ。

昼を告げるチャイムが鳴って、俺は爆豪を連れて中庭のテラスへ向かった。

人の少ないテラスは、風通りの良い静かな場所だった。

大体の生徒は食堂で食べているようだ。

母に作ってもらった弁当ではなく、自分で作った弁当をカフェテーブルに広げた。

『ここ、結構良いところだろ？
昨日見かけて、爆豪と一緒に来たいと思ってたんだ』

爆「…お、おう///」

何故か爆豪は緊張していて、俺と視線が合えばすぐに反らす始末だった。

なんだ、この反応は…。思春期とかいう難しい年頃特有の、ナントカか？

俺も中身が本来の年頃と一致していれば、爆豪みたいになっただろうか。

何にしても、爆豪には笑っていてほしい。案外、面倒見の良い爆豪には尚更だ。

『なーに緊張してんだ？爆豪
朝のHRのことなら、俺は気にしてないから大丈夫だ。
まぁ…俺の制御の聞かない個性を止めてくれるのが爆豪なら、俺としても嬉しい。』

俺は爆豪の肩を軽く叩いて、笑いかけた。

子供の緊張を解く方法など、俺はそれしか知らない。

どの人生でも見かける、普通の友達らしい光景を再現してみたのだ。

爆「…なんで俺で嬉しいんだよ？
それで、なんで気にしねぇんだ？」

爆豪は複雑そうに言った。

パンチの効いた言葉でも返ってくるかと思ったが、期待半分ガッカリ半分といった反応だ。

『そんなの決まってるだろ

転校してきたばっかの俺に何だかんだ世話焼いてくれたのも、俺のファーストキスと颯爽と奪っていったのも…全部お前だからだよ、爆豪。

お前の行動はそう簡単にできるもんじゃないと思うけどな

そんな実は結構優しい爆豪には気楽に笑ってほしいから、俺は何があっても気にしないんだ。』

俺は自分で作った卵焼きを食べながら、爆豪の言葉に答えた。

俺の言葉が、俺より数千万年も年下の子供にどう影響するのか知れたもんじゃないが…

実は少しだけ好奇心のそそるもんがある

爆「じゃあ、っ…何でも気にしろっつったら、お前はそうしてくれんのかよ」

固く握られた爆豪の拳は、少し震えてる

ここまで感情に訴えてくるような奴は、稀に見る

改めて、100万回目の人生が新鮮に想えてくるよ