74.果てなき思い ページ29
(名前)「うっ、ここは?」
少女が目を覚ますとそこは、奈落の底のような場所に一人いた。
空亡「四麒よ、まだ思い出さないのか?」
(名前)「思い出す?何の事よ!」
空亡「…」
空亡はしばらく黙っていたが、やがて喋りだした。
空亡「無理矢理にでも思い出させてやる。過去を…神話の果てに何があったのかを!」
空亡はそう言うと、奈落の空間から別の空間へと移り変わるようにした。
(名前)「! これは!?」
空亡「ここは四麒の城だ。かつてのな。」
(名前)「ここが…」
空亡「あれがお前だ。」
目の前の椅子に座っている女性を空亡は、(名前)に見るよう促した。そこに座っていたのは、一輪の花を思わせるような、凛とした女性がそこにいた。目線を下に向けると、一人の男性が頭を垂れていた。それは、空亡になる前の姿がそこにあった。
(名前)「…なんだろう。とても、懐かしい感じがする。」
『よくやった。これからも、よろしく頼む。』
『はっ!』
女性はゆっくりと微笑みかける。
(知ってる気がする。でも、思い出せない。)
場面が一瞬で切り替わった。先程、女性の信頼が厚かった男性が腕を捕まれ、無理矢理床に膝をつかされていた。
『何かの間違いです!私は−』
『黙れ!見苦しいぞ!…もうよい、つれて行け。』
『! 四麒様!』
『…失望したぞ。』
四麒はそう小さく呟いた。
(名前)「思い出した。空亡、私はお前を知っている。」
その声に混じっていたのは、怒りかそれとも、悲しみか−
ト「やっと、思い出したんですね。四麒様。今、僕に会ったら、貴女はどんな顔をするんでしょうか?」
一人遠いところで、誰にも聞こえない声で、静かに呟く。その背中は、寂しさを感じさせた。
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名無しのダレカ - 更新頑張ってください!待ってます!面白いです! (2020年4月8日 21時) (レス) id: 6bf8819783 (このIDを非表示/違反報告)
11冬華03(プロフ) - 「幻王」の回のトウマ君がかっこよくて好きです!お忙しいと思いますが、頑張ってください!更新待ってます! (2019年9月1日 8時) (レス) id: 409538cbca (このIDを非表示/違反報告)
黒崎茉莉那(プロフ) - 続きが気になります! (2019年6月24日 17時) (レス) id: e34fd562e8 (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - 続きが気になるわ! (2019年4月21日 19時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - 今、46いったわ。いろんなことが明らかにされる予感ね。 (2019年4月21日 19時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月影冬華 | 作成日時:2019年3月28日 13時