神話の世界2

55.疑問 ページ11

白虎「気に入ったぜ！お前ら中々面白いな！それに、他の剣武魔神達に遅れはとりたくないからな！」

白虎は、そう言うと妖聖剣ホルダーに収まる小ささになり、その場に浮かんでいた。

ト「…」

酒「お前が受けとれ。阿修羅豪炎丸と共に姫に渡す。」

ト「分かった。ありがとう。」

青みがかった少年が、白虎大霊槍を手に取った。それと同時に酒天童子が空間を割り、早くしろと目で訴えてきたので、少年は、急いで酒天童子の方へと行った。そこで少年は立ち止まり、周りを見渡した。竹の成長を遮っている氷の華が何輪も咲いていた。その時の少年の瞳は、どこか寂しそうで光を一切感じさせない虚ろな金色の瞳になっていたが、誰も気づかぬまま少年は、いつもの瞳に戻った。そして、割れた空間に足を踏み出した。少年は、これから起きることを予測出来なかった。いや、したくなかったのだ。少年は自分でも気づいていた。自分には、何かの力があると…それも他の者達と比べられない程の強大な力があることに…

─玄武の憑依を解いた後の記憶がない。酒天童子から、阿修羅豪炎丸を受け取った時は意識は、はっきりしてたけど…どうなってるんだ？でも、今は自分のことより(名前)達だ。早く妖聖剣を渡して、空亡を倒さないと。

少年の考えがそこで一瞬止まった。

─空亡は、本当に悪い妖怪なの？

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